2004年12月25日土曜日

イブは隠れ家で

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イブの夜、会社を出たら下界はすごいことになっていた。(笑)
デートスポットに会社があるのがいけないんだろうな。

久々に行きつけのベルギービールバーに行くと、客もなくひっそりとしていて
ほっと胸を撫で下ろすことができた。二人で過ごすのはこういう場所でなくては。
今回飲んだ「レフ・ヴィエイユ・キュヴェ」(写真左から二番目)は、
奇麗なルビー色と華やかな香りがしてまるでカクテルのような味わいで気に入った。
それから「モワネット・ブロンド」(写真左端)は、コクといい香りといい、
これまで飲んだ中でも一番のお気に入りになった。これは旨い!


この店は、それぞれのビール専用のグラスでサーブしてくれるのだけど、
行くたびに押してくれるスタンプがたまると、グラスを貰えてしまうのだ。


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店を出る前に大声で叫ぶ人たちが入ってきて騒がしくなったのだけど、
ビールを味わうつもりのない人には不向きな店だと言っておこう。

2004年12月19日日曜日

Unos! dos! tres! catorce!

U2のニューアルバム冒頭を飾る「Vertigo」はiPodのCMでもすっかり
お馴染みになったけど、実はあのスペイン語のカウントにはある意味が
込められているらしい。

Unosにはスペイン語でaboutの意味があることから、dosは旧約聖書の2番目の
書である「出エジプト記」を指し、その中の第3章第14節を指し示しているという話だ。
確かに、Unos=1、dos=2、tres=3、catorce=14、という不自然なカウントには
その意味が込められている事を臭わせる節がある。12曲目には「Yahweh」が
出てくるのだから意図的なことだろう。前作のアルバムジャケットにも「エレミア書」
33章3節が引用されていた。U2はキリスト教を意識しつつ音楽を創っているのだ。


下に載せた本では、牧師でありながらポップミュージックに心酔している著者が、
宗教的な視点からU2の足跡を辿り、主としてボノの心情を解き明かしていく。
これを読まずしてU2ファンを名乗るなかれと言える力作だと思う。
スピリチュアルな視点から彼等の言動を振り返れば、これまで奇異に思われた事も
パズルを組み合わせるように理解できるはず。
彼等の一貫した熱い心は、変わらぬまま今に至っている。

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WALK ON The Spritual Journey of U2 ~魂の歌を求めて~


ハウルの動く城

これを観て、宮崎駿監督はある意味迷ってるのかなと感じた。
いつもながらコンセプトには期待させるものを感じるのだけど、伝えたい事がぼやけている。
製作に注力し過ぎて、焦点がぼやけてしまうのだろうか?

大人のためのアニメなのか、子供のためのアニメなのか。。
中途半端なところでうろついている印象を受けるのは僕だけだろうか?
ここ数作毎回それを感じてしまう。
それはもしかしたら、エンディングの持っていき方によっても
大分変わるような気もするけど。

とは言え、空を飛ぶときの浮遊感や、脇役のキャラ等宮崎映画ならではの
ものは味わえたかな。

2004年11月28日日曜日

身も蓋もない?

メタリカ、イラク米軍のへヴィメタ攻撃にコメント
BARKS


米軍がイラクへの総攻撃の“武器”として、メタリカ、AC/DC、ガンズ・アンド・ローゼス、レッド・ツエッペリン、ジミ・ヘンドリックスなどのへヴィメタル/ハードロックを使用しているらしいのだけど、下記のメタリカのメンバーのコメントがずれてて面白い。

(自分の音楽が使われていることに対して)「本当の理由は分かっている。この類の音楽には妥協がないんだ。まったく容赦しない……デス・メタルを12時間ぶっ通しで聞いたら、俺だって頭がおかしくなる。相手の知りたい情報を何でも教えてしまうだろう」

妥協がないのは良いのだけど、頭がおかしくなる音楽ってどうなのだろう?身も蓋もないではないか!(笑)

戦争の武器として自分の音楽が使われていることに反感はないのだろうか?
それに僕は、ツェッペリンやジミヘンの音楽で頭がおかしくなることはないと思うのだけど。

音楽がこんな風に使われることに、僕は反対だ。

2004年11月27日土曜日

My favorite cafe.

表参道にお気に入りのカフェがある。

好きな理由は、

・昼間から酒が飲めること
・サンドイッチが美味しいこと
・サラダが美味しいこと
・ケーキが美味しいこと

結局全部か。

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それに加えて、オープンエアカフェなので、
今日のような陽光の日には気持ちよく食事ができること。
写真に写っているレッド・ストライプは、ジャマイカのさっぱりしたビールで
人気があるそうだ。ギネスを飲んだ後には、ちょうど良かった。

あと、おまけとして他人の結婚式も祝えます。(笑)

2004年11月14日日曜日

All That You Can't Leave Behind -2000-

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All That You Can't Leave Behind


90年代の3部作を経て、またしてもU2は方向性に迷ってしまった。そこで、バンドサウンドに立ち返ったのがこのアルバム。

一曲一曲を聴いた時、これほどまでに粒の揃った作品は他にない。だけどアルバムとして聴いた時には、何故か過去の名作には及ばないのだ。個人的な感想だろうか。「Joshua Tree」や「Achtung Baby」が放っていたパワーは感じられない。

ボノによれば、このアルバムでは、音楽表現として一番難しい「喜び」を表現したかったという。確かに1曲目の「Beautiful Day」ではそれに成功しているかもしれない。でもアルバム全編に「喜び」が表現されている訳ではなく、全編を通して感じられるのは寧ろ、「安堵感」に似た暖かい雰囲気かもしれない。80年代のU2の音楽からは遠く荒涼とした風景が思い浮かべられたが、今はもっと身近な家族や友人、恋人のいる風景が思い浮かべられる。

僕はこのアルバムを聴いて、次のアルバムこそが本当に期待できる作品だと思った。その予想は当たるのだろうか。

2004年11月13日土曜日

POP -1997-

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POP


「Achtung Baby」に始まった電脳U2を締めくくるアルバム。
無機質な電子音がメロディの端々から現れ、かなりのファンが戸惑ったのではないだろうか。POPというタイトルにも、U2らしいアイロニーが込められている。歌詞を読む限り、とても単なるポップスとは思えない。

他のアルバムもそうなのだけど、年月を経ても尚心に突き刺さる曲のクオリティはさすがだ。どこまでも悲しい曲が多いのだけど、それを覆い隠す音は本当にかっこ良い。「Last Night on Earth」には、ドアーズに通じる衝撃や退廃感、セクシーさみたいなものを感じ、U2の、ロックと呼べる曲の中で一番好きだ。「MOFO」はロックの既成概念を突き破ったが、今となってはロック以外のなにものでもない。アルバム後半に進むにつれ、いつものU2が顔を出し、「Please」に至ってはいつの間にか電子音が消えている。当初、「Wake Up Dead Man」はアルバムに入れることを躊躇ったという。この曲にはボノの政治や生きていく事に対する深い想いが込められていて、苦悩さえ感じられる。

「Joshua Tree」から10年。表層の音は違えど、U2の魂は変わらない。

2004年11月7日日曜日

Soulkitchen 更新

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ヤフオク 5000億円突破!

NIKKEI NETに以下のような記事が掲載された。


ヤフー、オークション取扱高5000億円突破へ

 インターネットオークション(競売)最大手、ヤフーの今年の取扱高(落札額)が5000億円を突破するのが確実になった。1999年に参入して5年で約5倍に拡大した。モノ余りで事業者が在庫を処理する手段として利用しているほか、エコロジー意識の高まりで、オークション参加者が中高年や女性に広がっているなどの背景がある。
 10月の取扱高は出品、落札ともに需要が拡大し、約530億円だったもよう。これまで最高だった9月の483億円を一気に約50億円上回ったことになる。例年、オークションは9月から年末商戦に向け、徐々に売買が膨らむ傾向があるため、今年は年間の取扱高が約5700億円(昨年は4528億円)に達する計算だ。同社のオークションには月平均で約650万点の商品が出品され、その4割が落札される。品目別では自動車関連とファッションの比率が比較的大きく、ベビー用品や食品、寝具の伸びが目立つという。5000億円は流通企業と比べると伊勢丹の百貨店部門売上高(2005年3月期見込み5728億円)に迫る市場規模になる。



伊勢丹の売り上げに迫るという現実、確実にネットは消費活動の一部として機能している。確かにヤフオク、楽天などが一部独占状態にあるものの、例えば3年前はインターネットにおける消費活動に懐疑的な意見が多かった。

混沌としたネットの世界は、まだまだいろいろな意味で黎明期だと思う。技術的な革新が行われる事を前提とすれば、メディアとして切り開いていける可能性はたくさんある。既存のやり方とは異なる全く新しいアプローチがあるはずだ。このニュースは、インターネットが持ついろいろな可能性の内の、ほんの一面の第一歩に過ぎないのだ。

と、思う。

zooropa -1993-

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Zooropa


1000万枚ものCDを売り上げてきたミュージシャンとしては、このアルバムは唐突に発表された。プロモーションはほとんどなく、いつの間にかCD屋に並んでいたという感じだ。ジャケットデザインにしろ、最終曲がボノの声ではなくジョニー・キャッシュの声で歌われ、最後には警告音のようなものが収録されている点など、人を喰ったような印象も受ける。

発売当時、何か凄く裏切られてしまったような印象を受けたのを覚えている。前作「Achtung Baby」で一つ金字塔を打ち立てたはずのU2が、もはや道を見失って路頭に迷っているのかとも感じた。それを裏付けるかのように、確かにその頃のズーロッパツアーでのボノの振る舞いは奇異だった。マックフィストと称して頭に角を付け、白塗りの化粧で現れ、悪魔を演じてみたり。そもそも前作「Achtung Baby」はその前作「Joshua Tree」で、ファンやマスコミによって神格化されてしまった自分達の立ち位置を、しっかりと見つめ直すために、U2の“ポップミュージック”を具現化したものだった(と思っている)。その葛藤の中で、精神的にはかなり追い込まれていたのだろう。

このアルバムから流れ出てくる音楽には、焦燥感、癒し、滑稽感、愛といったものが含まれている。混沌とした音の洪水の中でそれらが絡み合って、不思議な安堵感のようなものを生み出している。

2004年10月27日水曜日

魂の叫び -1988 -

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魂の叫び


ヨシュア・トゥリーでロックバンドとして行き着くところまで行き着いたU2は、自然な帰結として音楽のルーツを辿る。ドキュメンタリー映画のサントラ盤だけど、コンセプトアルバムとして素晴らしい完成度を誇る。

邦題に「魂の叫び」とある通り、ライブでの演奏でも新曲においてもボノは命を絞り切るように叫ぶ。U2(ボノ)の姿には神々しささえ感じられる。妥協を許さない常に真剣な表情のボノは、モノトーンイメージが助長するためか、同時代に生きているということが奇跡的に思えた。

BBキングやボブ・ディランとの共演作では、先輩に対する憧れや尊敬の念がほんの少しだけだが伺われ、U2の若さが感じられる。BBキングは共演作の歌詞を読んで、「若いのにヘヴィな詞を書く」とボノを賞賛する。

ルーツを辿ったU2は次に大胆な変身を遂げていくことになる。

2004年10月24日日曜日

Achtung Baby - 1991 -

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Achtung Baby


現在に至るU2の歴史の中で最も衝撃的なアルバム。
モノクロのトーンに常にしかめっ面だったボノが、ハイトーンでセクシーな歌声を身に付け、微笑みながら歌う姿を誰が想像しただろうか?

ボノの歌唱法はそれまでの命を絞り出すような叫びと明らかに異なり、色気を帯びたものとなり、エッジのギターはそれまでにないうねりを持ち、アダムとラリーのリズムセクションはダンサンブルなリズムを大胆に取り入れ、バンドにおける存在感を増している。
全編を通して、ボノの歌声は何かに取り付かれたかのように妖しく響きわたるのだが、インタビューに答えて「歌を唄う喜びを初めて感じた」と語っている通り、その程度に差はあれ、聴き手を陶酔へと導く。

このアルバムに収録されている「One」はU2の数々の名曲の中でも、最も人気の高い曲だ。
ここからU2の新しい音楽の旅が始まった。

2004年10月20日水曜日

人格は記憶に左右されるのだろうか?

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2/3の不在


電車に乗る際の暇つぶしに買ってみた本だけど、思わぬ拾いものだった。
美しい描写にぐいぐい物語りに引き込まれていくのと、主人公の置かれた状況が
12歳以降の記憶を無くしてしまった36歳の男性という設定も、興味深く小説に
引き込まれる要因だった。

身近にいる人達は、彼が記憶をなくした事を手に取れる実感として受け止められない。
だって見た目は何も変わらないのだから。
彼に悪意はなくとも、人々は徐々に離れていってしまう。
奥さんと、記憶を無くした彼のやりきれない心理描写は、もし自分が記憶を
無くした場合にそのような状況に陥ってしまうだろうと思わせる程リアルだ。

そしてこの小説は、途中から思わぬ方向へ展開していく。
記憶と人格という大きなテーマを掲げながら。。
記憶が単なる情報に過ぎないとしたら、それに影響されてしまう人格は、
人々が思っているほど絶対的なものではないのだろうか?
経験と記憶は人格にどのように関わっていくのだろうか?
そんな事を考えさせられた。

もしここ10年間の記憶を失ったとしたら、果たしてこれから進もうと思っていた道を
歩んでいけるのだろうか?愛する人は他人になってしまうのだろうか?
自我とは何なのだろうか?

以下、ネタバレ注意











他人の記憶を移植するという突飛もない実験に参加した彼は、
移植された記憶に気も狂わんばかりとなってしまう。
誰しも、人の心を覗いてみたいと思うことがあるかもしれない。
しかしそれは危険な賭けなのだ。

体験していないけど実感として頭の中に存在する記憶。
それは不確かだけど確かな感触を残す。
空恐ろしい気もするが、例えば自分の尊敬する人物の記憶をもつことが
できるとしたら、どんな気持ちがするのだろうか?



2004年10月13日水曜日

カレー Part2

飯田橋にあるKUON
ここも穴場です。

いつ行っても空いているのが、いいのか悪いのか。
この店で出されるカレーは絶妙。本格的なインドカレーを日本のカレーとミックスしたような、日本人の舌にしっくりとくる味わいがあります。

2004年10月12日火曜日

究極の癒し ー ジョアン・ジルベルト



神様ジョアン・ジルベルトのコンサートに行ってきた。
凄すぎる。何が凄いって、演奏に対する強靱的な集中力。
夕方5時に始まったコンサートが終わったのは9時過ぎで、4時間近く演奏を行っていたにも関わらず、そのボーカルにもギターにも疲れを見せなかった。御年72歳とは思えない体力だ。

昨年の初来日の際にも話題になっていたフリーズが、この目の前で起こった!
本人によると、観客一人一人の拍手を感じたいがために、全集中を傾けているとのことなのだが、見ている観客には突然力つきて休んでしまったように見えてしまう。観客はみんな暖かい拍手を送っているんだけど、身じろぎせずに固まっている姿に、20分も経つとさすがに「?」が頭の中に浮かんでくる。かなり特異な時間帯だった。しかし、その後堰を切ったようにだけど淡々と、40曲もの演奏を聴かせてくれた。神の領域に踏み込んでいる人のやる事は常人の理解を越えるものだ。

まわりの人達の様子を伺っていたけど、これだけ感動しながら寝てしまう演奏も、ジョアンのコンサートだからこそというもの。究極の癒しがそこにある。

2004年10月3日日曜日

カレー好きにとっておきの情報を

日本人は基本的にカレーが好きだと思うのだけど(嫌いな人に会ったことがない)、そんな人達へとっておきの情報を。

池袋西武の12F、WAVEの側にある「カフェ・メディオ」、ここのチキンカレーが最高!言葉で表現するのは難しいけど、とにかく「うまい!」の一言が口を衝いて出るはず。店の設置場所からはとても想像できない味です。穴場だけど、敢えてここで紹介します。というのも以前、気に入っていた穴場の店が、客入りが悪く潰れてしまったということがあり、その二の舞いは繰り返したくないという気持から。お気に入りの店が無くなると変にがっかりしたりするものですよね。

ちなみにこの店はハーブティーが充実しており、お茶を楽しむのも良いかもしれません。


2004年9月28日火曜日

ダンディズム

cigars.gifシガーを嗜む企画に参加した。学生時代に一度吸ってみたことはあるものの、当然その年齢では似合うはずもなく、大人の男の真似をしたに留まっていた。今回、たまたま参加する機会に恵まれた。

しかもゲストはおひょいこと藤村俊二さん。年をとるにつれお洒落さとダンディな雰囲気を身に付けていった人だ。その飄々とした話っぷりと、どこか人を喰った内容に笑わせられた。でも、最後に真面目に語ってくれた葉巻とワインを男女に喩えた話が良かった。どちらも熟成させることで味わいに深みが増すという共通点はあるものの、それぞれに違いがある。だけどどちらも、ゆったりと味わうものだ。

何年後か分からないけれども、葉巻の似合うような男になれるとしたら、それは同時にダンディズムを極める時なのかな。

2004年9月27日月曜日

WEB空間における人々の心

大抵の人は、毎日閲覧するサイトが停止してしまうと、何かやりきれないような複雑な気持ちになるのではないだろうか?WEBサイトを運営する側にいる自分も1ユーザーとして、その気持ちは良く分る。10年前に、現在のインターネットの日常への浸透や、それに依存さえしてしまう人が現れてくることを予想できたのは、ほんのわずかの人達だけだろう。

今回、このブログサービスが図らずもリニューアル時のミスを犯し、恐らく多くの人が不満を募らせているとは思うのだけど、冷静に考えてみて、数日アクセスできないことが果してどれだけ重大なことなのだろうか?僕にはそれほど重大な事には思えない。目くじらを立ててまで怒ることなのだろうか?日常の中にもっと注意を向けるべき大切な事が潜んでいたりしないのだろうか?もちろん、サービスを提供する側は反省しなければならないし、それなりの説明も必要だと思う。しかし、それほど重大な事とはどうしても思えない。

まるでWEBの網の目に囚われてしまったかのように、WEBに依存してしまう人達がいる。確かに、誰にも邪魔されずに匿名のまま世界を縦横無尽に闊歩できるわけだから、こんなに魅力的な世界はないのかもしれない。でもそこに落とし穴があるわけで、弱い心を持った人間は一度そこにはまり込んでしまうと、いろいろな場面において強さを求められる、叉は強さが必要とされる現実の世界から逃避してしまうのではないだろうか?

このWEBの世界を生業としながらも、僕は常にそんな懐疑心を捨てられない。
ならば、提供する側がWEB空間の歩き方を提案していくべきなのではないだろうか?
落とし穴に落ちてしまわない歩き方を。

2004年9月24日金曜日

アンダーグラウンド

パリの地下に秘密社会?
古代トンネルにバー付き映画館「捜すな」張り紙残す。
lazique.com

こんな事が実際に行われているとは。。その目的やシチュエーションは違うけど映画「アンダーグラウンド」を思い出した。人間という生き物は欲望や信念のためなら、どんな環境でも力強く生きていけるものだなと感心してしまう。

「われわれを捜すな」という張り紙を残すあたり、小粋な感じがしていい。電力を不正に使用していたという面はあるものの、誰かに迷惑を掛けるわけじゃなく、個人的に心踊る話だ。次はどこで活動していくのだろう?

2004年9月18日土曜日

悪魔とプリン嬢

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悪魔とプリン嬢

冒頭から一気に引き込まれてしまった。おとぎ話的なタイトルとは裏腹に、これは人間の本性を抉った挑発的な作品だ。

プリン嬢は悪魔からの挑戦を受けてしまうのだが、この作品を読んだ誰しもがプリン嬢の立場に自分の身を置いて、そこに善と悪の区別に迷う心が沸き起こるのではないだろうか?

善悪という人間だけが意識する概念について、柔らかくしかし鋭く言及し、同時に人間の心の弱さを露呈させている。

いつもながらパウロ・コエーリョには人生を考えさせられてしまう。

2004年9月13日月曜日

男気のBritish Rock

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ポ-ル・ウェラー「スタジオ 150」

この人の音楽は、たとえカヴァーであっても変わらない良さみたいなものを感じさせる。声がいいんだろうな。男の色気を感じる。

「THE BOTTLE」なんて、完全に自分の曲として消化されてるし、意表を突く「CLOSE TO YOU」も最初それとわからないぐらいに、自分のスタイルで歌っている。

軟弱な音楽じゃなくて、しっかりとした、心に染みる音楽を聴きたい時、ポール・ウェラーは最良の音楽の一つだと思う。

2004年9月7日火曜日

味わい深い Belgian Beer

ベルギーでは修道院で醸造されるということが有名だけど、シメイChimay、 オルヴァルOrval、 ロシュフォールRochefort、 ウェストマレWestmalle、 ウェストフレテレンWestvleterenなどの銘柄がある。
僕が好きなのは「ロシュフォール10」。ダークブラウンでアルコ-ル度数が高め、そして何よりもチョコレートの深みに似た味わいがある。しかもそれが大きなグラスに注がれて出てくるのだからたまらない!

僕の行きつけは飯田橋の、昔美味しいイタリアンの店だった地下にあるのだが、欧風穴蔵のような落ち着いた雰囲気がとても良い。

G.Love ハッスル ハッスル

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The Hustle

G.Loveを聴くといつもハッスルしてしまう。
なんてことはありえない。

いつも思い出すのは学生時代で、音楽に浸っていれば良かった気楽な時代の郷愁が一瞬胸を締めつける。そんな感じの音楽でもないのに不思議なものだ。

ハーモニカとスカスカのリズムが始まった途端、きた!と思ったのが、初めて聴いた時の感想。意外にツェッペリンばりのリズムワークなんかもこなして、その当時は結構斬新な音楽だった。そしてそこから一つも変わっていない。いつ聴いても、G.LoveはG.Loveの音。

もしかしたらG.Loveはハッスルしてるのかもしれないが。

2004年9月5日日曜日

自由が燃える温度

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華氏911

アメリカという国の病的な部分をくっきりと浮かび上がらせ、
弱者の視線から状況を見つめ、真実を浮き彫りにしていくあたり、
マイケル・ムーアの真骨頂が発揮された映画だった。

ブッシュ大統領に焦点をあてて、9.11とそれ以降の政治背景を
どんどん解きあかしていくのだけど、そのテンポの良さに時折
ユーモアも交えることによって、一種のエンターテイメント映画
としての体裁も整えている。ムーアという人、その太っちょの体で
人を油断させておいてしっかりと心を掴むあたり、心憎い。(笑)

基本的には前作のボーリング・フォー・コロンバインと同様の形式を
取っているけど、今作はテーマがより重いためか、前作のような
ポップな表現は少し影を潜めている。アメリカ兵が攻撃を仕掛ける際に
聴いているというロックをBGMに持ってくるシーンは、頭の堅い連中には
好戦的なものと捉えられてしまうのかもしれないが、個人的にあれほど
痛々しいシーンはなかった。つまり強力な皮肉であるということ。

現在に近付けば近付くほど、アメリカのやり方の矛盾が目立ち出し、
イラクで戦っている兵士達の病んだ心が画面に映し出されていく。
これはベトナム戦争の繰り返しじゃないか!そう感じたのは僕だけだろうか?

最後はムーアの強い想いを込めた一言で締めくくられ、後ろでパラパラと拍手が起こった。
少しでも物事を掘り下げて考えている人達なら、なんとなく感じていたであろう事を
明確にしてくれる映画だ。ジャーナリズムの金字塔と言っても差し支えないのでは。

2004年8月31日火曜日

ゴーゴリ

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その名にちなんで ジュンパ・ラヒリ

決して軽い気持ちで付けられた名前ではなかった。
でもその名前によって生き方を翻弄された青年。
名前を付けた父には深い思い入れがあった。

静かに優しく、だけど冷静に見つめるまなざし。ジュンパ・ラヒリの文章にはそんな印象を受ける。風景を淡々と描写することによって心情のひだを少しずつ浮き上がらせていく。
ベンガル人であるというアイデンティティからか、主人公は大抵インド人ということになるが、やはりアメリカで暮らしながらもルーツを外にもつ。直接的な表現はなくとも、物語りの終盤にはいつの間にか様々な思いを感じずにはいられない展開には、巧いとしか言い様がない。

情景の描写を積み重ねていく事で、人物の心情を描き、登場人物ひとりひとりが活き活きと浮かび上がってくる。本を読み終わったあとでは、ここに登場するゴーゴリやアシマやアショケが、まるで自分のすぐ近くにいる存在に感じられた。

自分の根っこはどこにあるのか?
どこへ向かうべきなのか?
改めてそんな思いを抱いてしまった。

2004年8月29日日曜日

Dialogue in the Dark

1989年にドイツのハイネッケ博士によって考案されたDialogue in the Darkというワークショップに行ってきた。

人工的に作られた暗闇の中、森や草原、駅、バーといったステージを視覚障害者に引率されながら進んで行くという否日常的な感覚を体験できる。

僕の場合、暗闇に侵入した瞬間が特に印象的だった。一瞬にして五感が研ぎすまされ、植物の匂いが鼻をつき、水の音が耳に入ってきた。それと面白かったのが、暗闇では健常者(参加者)と引率してくれる視覚障害者の立場が逆転すること。まったくの暗闇の中で、「間を通ります」と言って進んで行くのだからびっくりだ。10人ほどの参加者はお互いの声を頼りに心もとない様子だというのに。

人によって感じるところは様々だと思うけど、このワークショップを通して視覚障害者に対する意識やコミュニケーションの大切さが見直されると思うし、僕のような少しでも芸術志向をもっている者にとっては、五感を磨いておくことの大切さを見直す機会となった。

2004年8月15日日曜日

水出しコーヒー

この週末、軽井沢デビューを果した。
ブルジョア的な避暑が目的ではなく、会社の人に聞いた水出しコーヒーが飲んでみたい、そのついでに軽井沢を見てみようじゃないかという気持ちだった。
コーヒーを飲むために軽井沢まで出向くという、ある意味贅沢な旅行だったけど。

さて、軽井沢に着いたその足で向かった「丹念亭」という有名な老舗で、一杯目の水出しコーヒーを味わった。言われたほどびっくりするような味ではなかったけど、アイスコーヒーであれだけの味を味わった事はなかった。苦味と酸味のバランスがほどよく、しっかりとしたコクがあった。ちなみにチョコレートケーキも名物らしく、生クリームをのせて冷やされたそれはコーヒーによくあっていた。

もう一件、こちらはガイドに載っていた店で「然林庵」。地図が間違っていて店を見つけるのに苦労したが、それだけの甲斐はあった。観光地の喧噪から離れた林の中にあり、個人的にはあまり人に教えたくない店になった。僕の感想ではこちらの店の水出しコーヒーの方が数段うまかった。お代りしてもよいぐらいに。サンドイッチやポークシチューも注文し、二杯目にオリジナルブレンドも飲んでみたが、それも納得のいく味で、今後軽井沢に行った際には毎回訪れる店になるだろうと確信した。

しばらくは水出しコーヒーにはまりそう。(笑)

DREAMERS

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ベルトルッチの、ヌーベルヴァーグやハリウッド黄金時代へのオマージュ的な作品だと思った。

時代は60年代後半のフランス、大人になりきれない双児の男女、どこかナイーブなアメリカ人の留学生。その設定だけで大体想像できてしまうじゃないか!

ジャン・ピエール・レオー本人のシンクロなど映画の引用はもちろん、僕の好きな「はなればなれに」(ゴダール)のルーブル美術館を走り抜けるシーンの再現には嬉しくなった。BGMもジミ・ヘンドリックス、ドアーズ、ボブ・ディラン等、そこら辺が好きな人にはたまらないだろう。

ストーリーを楽しむというよりは、仕掛けられた監督の趣味を楽しむ映画かな。僕はラストに納得がいかなかったけど、結構楽しめた。

2004年8月6日金曜日

make your work !

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自分の仕事をつくる

会社で働くのが当たり前と考えている人達に一度読んでもらいたい本だ。
つまり会社人間に陥り、仕事に不満を抱いている人達に。
この本の仕事に対する考え方において、僕は非常にしきりに共感を覚える。
仕事は創造的なもの。それに気付くか気付かないかで、仕事の成果や
仕事に対する姿勢が変わってくるんだろうな。

仕事をやる上で理論に陥り過ぎないことが大事だ。
結局は自分のため人のための仕事であって、仕事それ自体が目的じゃあない。
共感を覚える事ができて、楽しく読めた。

2004年7月23日金曜日

U2

U2のニューアルバム盗難、ネット流出ならiTunesで即座に対抗リリースか
Hotwired Japan


どうにもこうにも、ボノが言う通りひどいことになってしまった。
ファンならばU2が意図したコンセプトで音を聴きたいものだが、意図に反して中途半端な形でリリースせざるを得ないのかもしれないとなると、複雑な気持ちだ。

しかし、これだけ大きなニュースになると盗んだ方も動きが取れないのかもしれない。

2004年7月19日月曜日

STEAMBOY

STEAMBOY

初日に六本木ヒルズで観たけど、満席とまでいかず、客層は20代が大半。

9年の制作期間をかけて作られただけあって
映像は凄かった。細部についても一切妥協はない。たくさん登場する蒸気機関のマシンはリアルで、生々しささえ感じられるし、メカ好きの男の子にはたまらないだろう。(笑)キャラは1人1人をみれば立っているんだけど、関係性に深みが感じられなかった。それは大友監督の弱点か。

ここでAKIRAを取り上げるのは、いつまでも過去に捕われているようで出来れば避けたいのだけど、1点だけAKIRAとシンクロしたのが誇大する力。AKIRAを観たことがある人ならそう感じるはず。大友監督が意図しているのは、人間の愚かな過信に対する警鐘だと思うのだが、どうだろう。かと言って、科学を否定しているわけではなく科学の力を正しい方向にもっていけば、面白いことが待っているかもしれないという、期待のようなものは感じられる。

アイデアは面白いと思ったけど、ストーリーは平凡かな。続編はストーリーに力を入れてもらいたい。

STEAMBOY BLOG

2004年7月11日日曜日

SoulKitchen

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SoulKitchen

写真中心に。

2004年7月8日木曜日

July,July

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世界のすべての七月

ティム・オブライエンの作品。「本当の戦争の話をしよう」以来久しぶりの作品だけど、この作家の作品には一貫した何かがあって僕はそれに惹き付けられるのだと再確認した。その何かは、はっきりと言葉にはできないけれど。

文章はどちらかというと無骨で、スマートな表現はないのだけど、時々美しいセンテンスが現れる。それがセンチメンタルに流され過ぎることもなく、どこか乾いた悲しみを感じさせる。そういった一見矛盾するような部分が魅力なのかもしれない。
でも、それにも増して読者を惹き付けるのは物語りを前に進めていく力強さみたいなものだと感じる。ここに登場する人物はみなどこか失われて、惑いながら生きているのだけど、それぞれが人間的な弱さを持っているが故に魅力を放っている。

感傷的ではあるけれども、大人の哀愁を描いた甘くない小説だと感じた。

2004年7月6日火曜日

Rachael Yamagata

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Happenstance

声の魅力に惹き付けられた。最近のお気に入り。
日系二世の父親とイタリアとドイツの混血の母親のもとに生まれた、唯一無二の個性。

彼女が敬愛するという往年のソングライターの影がちらつく楽曲は、僕の耳にもしっかりと届いてくる。地に足が着いた音楽だ。

ノラ・ジョーンズもそうだけど、最近、魅力的な音楽は混血から生まれてくることが多いと感じる。

アメリカ人でありながら、自分のルーツは異国にある。そんな心が表現するものが人の心に届くのは何故だろうか?そう言えばアン・サリーも日本で生まれ育った韓国人だ。

2004年7月5日月曜日

R25は吉か凶か?

pj9058lb.JPGリクルートは常々発想豊かな会社だと思っていたが、これも思わず唸りたくなるものを仕掛けてきたなと感じた。

R25はターゲットを絞ることによって広告の効果が最大限に得られると見込んで打って出た、野望的なフリーペーパーなのだ。

フリーペーパーとは思えない紙質
お得意の全編カラー
雑誌並の記事
TVCM

ここまで思いきったことをやれるのはリクルートの強みか。ただ、これがフリーペーパーの今後を担うかと言ったら疑問を感じる。これだけ大胆な展開を仕掛けられるのは資金力と知名度のあるリクルートだからこそではないのか?フリーペーパーのフリーペーパーたる所以は、勝手な思い込みかもしれないけれど、手作り的な匂いの感じられるところに魅力があり、良いものを売ろう作ろうという人達の気持ちがそこにあるものではないのだろうか。もちろんR25が悪いものという訳ではないが。

駆逐されると言ったら言い過ぎかもしれないが、リクルートのやり方にはいつも複雑な気持ちを抱かざるを得ない。手法が面白いと感じている自分の心と矛盾する話だ。

何はともあれ、手にとって読むことは間違いなさそうだ。

21g

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21グラム

久々に心にずしりとくる映画だった。
プロモーションではポップに扱われている21gだけど、映画を見終わればそれは重い21gだと気づく。

登場人物はそれぞれに苦しみを背負っていて、自分の日常に照らし合わせて感情移入するのは難しいかもしれない。それでも、それぞれが抱える心の闇には惹き付けられずにはいられない。身近な死や自分の死を境に、「それでも人生は続いていくのか、続かないのか」それが各々の人生観となっていて、人間の尊厳や生き方がテーマと感じられた。

はじめは時間が交錯する形で提示され、次第に絡んだ糸がほぐれていくような感じで各々の関係が見えてくる展開にぐいぐいと惹き付けられた。その手法だけに走った映画であれば凡百のものとなんら変わりなかったのであろうが、そこに人間の生き方がテーマとしてあったから素晴らしい映画になったのだと思う。

なかでもベニチオ・デル・トロの演技は今後忘れられないぐらいに素晴らしいと思った。苦悩と悲しみのあんな目をできる俳優は見た事がない。。

一見すると救いのない映画のようだが、最後には何故か希望も感じ取ることができた。それは、この映画の監督が人間の矛盾を描きながらも、力強く生きていく事が大事だと訴えているからなのかもしれない。

2004年6月29日火曜日

11分間の巡礼

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11分間 パウロ・コエーリョ

巷ではセックスについて書かれたということが大きく取り上げられている。偏見を持つとその魅力が失われるような気がして、僕は偏見を極力排除して読んでみた。

「11分間」という象徴的なタイトルからも想像できるが、この本の中でセックス(性欲)はある意味取るに足らぬ事として描かれている。マリーアは愛に飢え、愛のないセックスに当然のことながら何の価値を見い出す事も出来ない。だけど、二つの大きな経験をすることにより、この物語は展開しはじめる。この二つは相反しながらもマリーアの内面を曝け出すという同じ性質を持ち、マリーアは弱さを曝け出すことにより、自分の心を見つめることができ、愛に気づいていく。。。
コエーリョの処女作「星の巡礼」を読んだあと、これは彼の一貫したメッセージ(思想・信念)なのだと思った。主人公が巡礼の中でRAMの実習というものを行うのだけど、この宗教的な行為を通して心を曝け出し自分の弱さを見つめることにより精神的な成長を遂げていく。

デリケートな部分を扱った作品だけど、二作品に共通しているのは、精神的な力を身につけることで、その先の人生に何かしら幸福をもたらす事ができるというメッセージだ。

精神的に生きるには何かと障害のある実社会だけど、パウロ・コエーリョの本は読んだあとに、何かしら力を与えてくれる。同時代にこんな作家がいることに感謝したい。

2004年6月26日土曜日

a weak point

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例えば騒音の中で声を張り上げること

例えば馬鹿騒ぎすること

例えば偏見への対処

例えば期待された事が実現されなかった時の気持ちの切り替え

例えばデリカシーのない言動


たとえ黙っていてもいろいろな事に気付いている。
全部見えている。
気を使うことで、意図しない事が起きる場合もある。
言葉にすることでそこにあった筈の感情が失われる事も、陳腐なものに変化してしまうこともある。

2004年6月20日日曜日

白いカラス

nj5yht5p.JPG公開初日の「白いカラス」を観た。

冒頭で物語りの結末が見えてしまう構成で、最初から重いテーマに支配されてしまう。内容を知った今では広告はどうもしっくりこない。

徐々に明かされていく主人公二人の過去。
自分の生い立ちと葛藤する初老の男、過去に傷をもつ女。互いの心の闇を見抜いてか惹かれ合っていく様子や、絡み合っている人生の宿命についてはよく描かれていたと思う。

原題は「The human stain」(人間のしみ、汚れ)なのだが、邦題は劇中に出てくるキーワードと隠喩を込めて「白いカラス」としたのだろう。これが今一つで、どうせなら原題そのままの方がしっくりくると感じた。

この映画には一つのメッセージが込められていて、人間は何かしら業を背負って生きていかなければならないけど、幸せになるためには信じ合える人とその業を分かち合う事が必要だと語りかけてきているような気がした。

それにしても救われない話だ。

2004年6月14日月曜日

白レバー

2myxnhn9.JPG先日、初めて白レバーというものを食した。
これが絶品!

300~400羽に1羽位の割合で偶然に育った鶏の肝臓らしいのだが、口の中に入れた瞬間とろけてしまうフォアグラのような味わいがある。

ぜひ一度お試しあれ。

2004年6月1日火曜日

Gmail と個人情報保護とネットワーク

q3xygls5.JPGカリフォルニア州上院、『Gmail』規制法案を可決
japan.internet.com

1GBという破格のメールボックスで一気に波に乗るかと思ったけど、詰めが甘かったようだ。思わぬ落とし穴というべきか、単なる見込み違いというべきか。面白いアイデアではあったけど、今の世の中個人情報にはめっぽう敏感な人が多い。メールをスキャンしてそのユーザーに合った情報(広告)を提供するという話だが、気になる人には単なる押し付けとしか捉えられないのだ。しかも自分の個人的なメール文面から情報を取られているから尚更。

僕はGmailの機能を推す訳じゃないが、個人情報に過敏になっている人達にはどうも賛同できない。それほど大事なものなら、初めからネット上での情報のやりとりを諦めるべきなのだ。リスクをきちんと認識して利用するべきだと思う。

便利だからこそ、その分ツケも大きい。「無料」なのだからどこかに落とし穴はあるはず。ネットの特性なのだろう、ネット上の情報は「無料」という認識が根付いてしまった。
人間とはずうずうしいもので、それを当たり前と感じどんどん欲求は大きくなっていく。
その欲求がインターネットのネットワークを天文学的なまでの数値に膨らませているのかもしれない。

2004年5月23日日曜日

ブランド斬り!

エルメス、ブルガリ、シャネルにティファニー、挙って物がいいって言うじゃな~い。
だけど、ただブランドマーク張っ付けてるだけですから!今は良いものが安く手に入りますから!

残念!未だにブランドに群がる日本人!


拙者、ポール・スミスのデザインに目がないでござる。。。
切腹!

2004年5月16日日曜日

インターネット侍

Yahoo!ブログに出遅れて、残念!ブログ出遅れ斬り!

楽天、ショッピング以外は今一つ、残念!所詮、買い物市場斬り!

グーグル、オークションがなくて、残念!Gメールはプライバシーに不安あり、検索頼み斬り!

ニフティ、ココログ好調でも、残念!他のサービス半端斬り!

So-net、残念!モモはいつの間にやら一人立ち斬り!






※あくまでも個人的観点によるジョークです。

2004年5月13日木曜日

チワワがだめ?

「チワワやダンサー、借金助長」日弁連がCM中止要請
asahi.com

広告に多少なりとも関わる者として、日弁連の判断は過敏すぎると感じた。
大体、あのCMを見てお金を借りたくはならないだろう。不本意ながら「どうする?アイフル!」というフレーズは覚えてしまうが。(笑)

CM効果としてはチワワの売れ行きへの貢献の方が大きいと思うのだが。

若年層に借金の抵抗感をなくさせ、利息制限法に違反する高金利を認識させない役割を果たしていると分析

とあるが、どこからそういう論点に結び付くのかわからない。むしろ収入のない若年層がお金を借りられる環境に問題があると、考えられないのだろうか?

2004年5月9日日曜日

キル・ビル まとまる

このGWにキル・ビルVol.2を観た。

Vol.1を観た直後は随分悪のりした映画だと思ったけど、タランティーノの映画おたくっぷりが垣間見えて、面白い作品ではあった。頭をからっぽにして観る分には。それと、ルーシー・リューの「やっちまいな!」がヤケに耳に残って、事ある毎に使わせてもらった。(笑)

さて、何の期待もせずに半分惰性でVol.2を観た訳だけど、予想外の展開。
Vol.1の反動か、終始ストーリー重視と感じられる展開に逆に拍子抜けしてしまった。まとめに入っちゃったんだろうなという感じ。
部分的にはタランティーノの遊び心が感じられたけれど、ストーリー設定の奇抜さの割に登場人物が弾けてなかった。どうせなら、最後までハチャメチャにやってくれた方が気持ち良かったのだが。

キル・ビル Vol.1KILL BILL VOL.1
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2004年4月25日日曜日

ネットとアイデンティティ

ネット・リテラシーと民主主義と
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance

上記の江島氏の文章は示唆に富んでいて面白い。

氏の論点からは少し外れるのかもしれないが、例えば次のような表現は、日本人の性質を良く現していると思える。

宗教やイデオロギーにとらわれない個人として独立した価値観を持ち、自らの自由意志に基づき行動している人々

それが故に、深いところで繋がり合うための基礎が見えないといったくだりに、うんうんと頷きながら同意してしまう。

このインターネットを生業としている僕にとって、自分の中の矛盾(ネットの可能性を信じながらもどこか否定的になっている)を、こんがらがった糸を解くように決して否定すべきものではないものとして諭してくれる。(強引かもしれないが)

ネットリテラシー、それはPCリテラシーといった技術的な問題を前提としつつも、人間性という本質に関わるものなのだろう。インターネットの世界では、他言語を一つでも知っていれば極簡単に国境を超えてコミュニケーションを図れてしまう。
江島氏が言及しているように、そういった場面において必要となってくるのは、その人が持ちうる理想や信念なのだ。

理想や信念。僕の場合それは宗教に結び付くことはないが、確かに心の中に存在している。
現実を見つめながら、インターネットの可能性を模索してみたい。

2004年4月18日日曜日

Radiohead - 音の創造

Radiohead Japan Tour 2004 4/18

ロックというジャンルにおいては、最もその動向が注目されるバンド。
学生時代からCDでは聴いていたが、コンサートに足を運ぶのは今回が初めてだ。
雑誌のレポート等を読んで大体のイメージは掴めていたが、予想以上に刺激的な音の洪水に包まれた。

曲目は「O・K・コンピューター」「KID A」「アムニージアック」「ヘイル・トゥ・ザ・シーフ」の4枚のアルバムから静と動のバランスよく配置されていた。

打ち込みによるリズムやサンプリングを駆使した音を、どのように生の演奏に持ち込むのかが興味のポイントだった。
大袈裟かもしれないが究極の形がそこにあった。まさに「音の創造」が。

哀しいまでに美しい曲とデジタルを駆使した破壊的な音の洪水が交互に積み重ねられても、違和感を感じる事なく聴き手の体に響いてくる。
2時間の濃密な時間中、気を抜くための曲など一曲もなく、しかも飽きることさえなかった。
トム・ヨークが「エグジット・ミュージック」を歌うとき、会場は静まり返り、僕は不覚にも目頭を熱くした。

彼らの音楽に対する真摯な気持ちが、その音創造の才能と相まって美しく刺激的な音を創り出している。

ロックはまだ死んじゃいない。。。
そう確信できた。

2004年4月13日火曜日

ネット広告のあり方

Yahoo! JAPAN、エリア広告市場へ本格的に進出
Japan.internet.com

インターネットを全体として捉えた場合、もはやマスメディアと言っても良いぐらいの影響力、情報浸透度があると考えている。その中でもYahoo! JAPANは圧倒的なページビューを獲得していて、ソースを伝えていくコンテンツとしては別格だろう。
でも、インターネットはそもそもマスにそぐわない。インターネットを使用するユーザーは、自分の意志で自分の欲しい情報を探す。つまり、マスとは反対の性質を持つ事を期待し、それぞれのニーズに合った情報を求めている。誰に向かって伝えているのか分らない、テレビCMのようなものは求められていないのだ。

2004年3月29日月曜日

温故知新 

J-WAVEの試聴イベントで、いち早くエアロスミスのニューアルバムを聴いてきた。

このところのエアロスミスはかなりポップになってしまい、はっきり言ってノーマークだったのだが、偶々聴く機会に恵まれて耳にした音は意外な音だった。

ブルースのカヴァーアルバムということもあるが、ブルージーかつ往年のロック魂を感じさせてくれる音だった。長年のキャリアを誇る彼等が今さら原点回帰ということもないだろうが、「温故知新」という言葉が似合う内容になっている。
一音目が鳴り響いた途端、それはブルースだとわかるのだが、次の瞬間には馴染みのエアロスミスの音になっている。そこには、「ネタも尽きてきたから、ちょっと古典でも齧ってみるか。」という安直な姿勢ではなく、今尚前に進み続けるバンドの姿勢が感じられた。具体的にどこにそれを感じるのか?と聞かれたら困るが、音を聴いてみればそれは自ずと分るだろう。

Honkin' on Bobo [Limited Edition]
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2004年3月23日火曜日

良い香に包まれて

転職祝いにプレゼントされた香水をつける。
香りが気持ちを落ち着かせてくれる。

気分良く仕事に向かい、気分良く人に接する。

不思議な事に、悲しい気持ちにも香水の香りはよく似合い、そんな気持ちを穏やかにしてくれるのもまたその香りだったりする。
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2004年3月14日日曜日

Anything Goes

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ブラッド・メルドー・トリオ久々の新作。「Art of The Trio」という冠が取れた。
一曲目の「Get Happy」が始まった瞬間、思わずにやけてしまった。そうきたかと。
メルドーにとっての前作はソロ名義の「Largo」。
このところ、意欲的に他ミュージシャンのアルバムに参加したり、実験作を提供したりといった感じで自分の中に貯まっているクリエイティビティを吐き出しているかのような印象を持っていた。ある意味迷いもあるのかなと。もちろん、それらの演奏も素晴らしいものではあったが。

今作はスタンダードアルバムと言っていいだろう。ここにきてその迷いを解き放ち、何か一つ抜けた感がある。純粋に音楽のもつ魅力を引き出している。
数多くの「Nearness Of You」を聴いてきた僕の耳にもメルドーのそれは、シンプルかつ繊細で美しい。Blue Noteでのライブで聴いていた「Smile」もその当時はつまらないと感じたが、改めて録音されたものを聴くと意外に面白い事に気が付いた。この形が正にメルドー・トリオの解釈なのだと。お気に入り、レディオヘッドの「Everything In Its Right Place」は、このスタンダード曲郡の中にあって少し浮いた感もあるが、やはりメルドー(トリオ)の感性に合うところがあるのだろう、複雑な曲展開にも関わらず伸び伸びとした演奏が繰り広げられる。

現時点でこれが最高の形だと納得できるアルバム。

2004年3月7日日曜日

The Joshua Tree -1987-

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Joshua Tree

U2を最も大事なロックバンドと言わしめるきっかけとなったアルバム。

「Joshua Tree」という響きから宗教的なメッセージを含んだアルバムと捉えられがちなのかもしれないが、僕は非常に「欲望」を全面に押し出したアルバムだと感じる。

この壁を打ち壊して 愛を燃焼させる
いまだに探しているものが見つからない
君がいてもいなくても僕は生きて行けない
君のために持ちこたえている
脈打つ 僕の愛

27歳のボノが、自分の欲望と理想との狭間でもがき苦しんでいる様子が伺える。ロックという音楽にとって、27歳は特別な意味をもつのだ(と勝手に考えている)。小さな島国であるアイルランドから、白旗を掲げ熱唱してきたボノやU2のメンバーが、音楽ビジネスの現実や社会の現実と自分達の理想の狭間で苦しんでいた事は間違いないだろう。皮肉にも、このアルバムを作り上げた事でU2は神格化され、アルバムの売り上げは天文学的な数字に到達した。
「ヨシュア・トゥリー・ツアー」を撮影した「魂の叫び」を観るにつけ、1990年当時、このバンドが存続していることに驚いたのを覚えている。ここまで行ったら一体どこに行くのだろうかと。
今となっては苦闘の90年代は過去となってしまったが。(90年代に入りU2が聴きやすくなったという意見をよく聞いたが、それは表層的な部分に過ぎないと思う。)

サウンド的にはダニエル・ラノアとブライアン・イーノのゴールデンタッグがさらにU2の音を進化させた。「The Unforgettable Fire」では隠りがちだったサウンドプロダクションも、音空間の広がりを保ったまま鮮明にさせることに成功している。ジャケットの写真と相俟って、アルバムのコンセプトを打ち出す事にも成功しているのではないだろうか?

このアルバムやこのアルバムで神格化されたU2を毛嫌いする人もいる。でもきちんと目を開けて耳を傾ければ、きっと感じるものがあるはずだ。

2004年2月29日日曜日

街の音風景

街行く人々のヘッドホンから流れる音楽を聴くラジオ番組
WIRED NEWS

イギリスとアメリカのラジオ番組で、街中をウォークマンをかけて歩く人達から、聴いている音楽とコメントを収集するという試みが行われた。

どちらも文化的に刺激的な場所なので、単純に面白そうだと思った。何喰わぬ顔で歩いている人が聴いている音楽が、実は「ユーロ・ポップのビートに乗ったシャーマンの祈祷」だったりしたら、面白いじゃないか!
しかし記事を読んでみると、「音楽とは本質的に共同で分かち合うものであり、ヘッドホン・ステレオは音楽による社会体験を損なわせている」という考え方もあるようで、頭の堅い人はそう捉えてしまうようだ。

僕は、ウォークマンは音楽を手軽にどこでも聴けるようにすることで、人々の音楽に親しむ時間を伸ばし、その結果音楽をより日常の中に取り込むことに貢献したと考える。
「共同で分かち合う」という点にこだわるなら、チケットの高騰や音楽を聴く「場」を設置できない社会に原因があるのではないだろうか?

それにウォークマンをしてなくたって、頭の中で音楽が鳴っている人は多いはずだ。

The Unforgettable Fire -1984-

ybsrcwee.JPGThe Unforgettable Fire

U2の音が形作られたアルバム。
ブライアン・イーノとダニエル・ラノアによるプロデュースがU2を違う次元に押し上げた。

U2と聞いて思い浮かべるあの音はこのアルバムから始まった。
どこか冷たく奥行きのある音。その荒涼とした音空間の中で、ボノの歌声は増々力強さを増し、神に祈るように、だけど自分に語り聞かせるように歌う。

I'm wide awake, I'm wide awake, wide awake
I'm not sleeping

マーティン・ルーサー・キング牧師に捧げた「Pride( In The Name Of Love)」「MLK」にはU2の政治的意志が感じられる。
後々映画「魂の叫び」の中で、アダムが「政治と音楽を混ぜるなという奴がいるが、冗談じゃない!」と怒りを露にする場面があるが、確かにU2は黙っちゃいない。

歌詞に目を落としてみても、格段にheavyな詞が書かれている。(「heavy」はB・B・キングがボノに対して言った言葉。)
政治的意志を力強く宣言する一方、ボノは常に問いかけ、祈る。

if the mountains should crumble
or disappear into the sea
not a tear, no not I
stay this time stay tonight
ever after is loving time

U2はこのアルバムを作り上げた事によって、音楽と心の旅に出発したのだ。

2004年2月23日月曜日

WAR -1983-

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War


80年代のU2を象徴する政治色が色濃く出たアルバム。
そして代表曲の一つ「Sunday Bloody Sunday」が収録されている。
アイルランドで1972年に起きた「血の日曜日」(血の大晦日と勘違いしてはいけない)事件を取り上げた曲だ。
ラリーの躍動感のあるドラムで始まり、エッジのギターが絡んでいくあたり、僕の鼓動は高まっていく。当然のごとくボノの歌声には力が入り、徐々に心を熱くする。

この一曲目を聴いた瞬間、これまでの2枚とは明らかにクオリティが違うと分かる。先ずドラムの生々しい音に耳を奪われるはずだ。さらに、エッジのギターカッティングが鋭く響き、独特のリフが縦横無尽に展開されていく。
最近のライブでもよく演奏されている「New Year's Day」をはじめとして、アルバム全体を通して楽曲のクオリティが格段に向上している。歌詞に目を向けても、ボノの政治的世界観がくっきりと浮かび上がっている。無意味な争いへの警鐘。「WAR」というタイトルがU2の強いメッセージだ。

How long to sing this song
I will sing, sing a new song

デビューした当初は、ニューウェイブのパンキッシュなバンドとして捉えられていたU2が、ここでしっかりと大地に根を下ろした唯一無比のバンドとして記憶されていく。
こんなにまで、無垢で真直ぐに正義を唱えるロックバンドなんて他に見当たらない。そりゃダサイのかもしれないが、それでもかっこいいのだ。

僕の中では(多分世間一般も)U2はこのアルバムでU2となったのだ。

2004年2月20日金曜日

OCTOBER -1981-

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U2、2毎目のアルバム。

基本的に1枚目の延長線上にある。1枚目よりは曲の単調さが克服されているし、ボノの歌唱法も徐々に作り上げられつつあるといった感じ。
1曲目の「Gloria」には同郷の大先輩ヴァン・モリソンが在籍していたゼムの「Gloria」を意識していると感じるし、「Tommorow」ではバグパイプを導入している辺り、アイルランド人であることを強く打ち出していると考えられる。
元々政治的に抑圧された環境で育っている人達なので、僕の受ける印象に間違いはないのだろう。
それにしても1枚目同様、僕の中ではあまりU2のアルバムとして認識されていない(したくない)
アルバムであることに変わりはない。

少しだけ成長したU2は次のアルバム「WAR」で飛躍していくことになる。

2004年2月19日木曜日

BOY

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Boy

U2が先週から新作のレコーディングに入ったのを機会に、これまでのアルバムを振り返ってみたい。あくまでも個人的に。U2は僕が最も敬愛するロックバンドである。

BOY -1980-

僕が初めて耳にしたU2の曲は「With or Without You」であり、初めて手にしたアルバムは「Joshua Tree」だった。当然、このデビューアルバムは遡って聴いた事になる。
しかし誰が同じバンドの音だと思うだろうか?
確かにボノの張り裂けんばかりの歌声と、エッジの鋭いカッティングが耳に届いてくる。しかし、全体から受ける印象は演奏の下手なパッとしない2流バンドである。良く言えば、その後ロックの革新を図ることになるバンドの、初期の胎動が感じられるといったところか。
リアルタイムでこのアルバムを聴く事はなかったが、初めにこのアルバムを聴いていたら僕がU2に注目することはなかったかもしれない。

2004年2月16日月曜日

メビウスの輪

前々から面白い事をやってるなと思っていたビデオジャーナリスト神田敏晶さんのブログに「ベーコン数」という記事が載っていた。
世界の誰もが6人を経由するうちに、ケビン・ベーコンにたどり着けるというものだ。
「新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く」という本で展開されている話しらしいのだが、ちょっと強引な気がしてしまう。(笑)
事実、僕はケビン・ベーコンに6人どころかたどり着く事さえ怪しい。(笑)
とは言え、この本は「ネットワーク」をキーワードに現在の世界情勢に対する鋭い指摘も盛り込まれているようで、興味深い。

2004年2月10日火曜日

嬉しい

日々の生活の中で、そう思える事がどれだけあるだろう?

最近僕はその「嬉しい」を感じる事が多々ある。
極々個人的な事なのだが、人生の選択に差し迫られており、その選択の段階に何故か「嬉しい」が現れてきたのだ。(笑)

苦しんでいる時には、ちょっとした心遣いを受けたり、自分の好物を見つけてしまうだけで嬉しいものだ。ボーカーフェースの僕は、端から見るとあまり苦しんでいる様に見えないようだが。(笑)

「喜び」を感じられる音楽はめったに無いと、僕の敬愛するミュージシャンが言っていた。
確かにそうだ。音楽に「喜び」の感情を起こされた事はないかもしれない。
「嬉しい」はどうだろう?それも難しいかもしれない。

僕達がモノを買う場面では、先ずそのモノを気に入る。そしてそれが高価なものなら幾分躊躇してお金を払うわけだが、その後手に入れたという「嬉しさ」が込み上げてこないだろうか?
この時「欲しい」が「嬉しい」に取って変わる。ひょっとしたら僕達は、欲求を満たした後の「嬉しい」という感情を買っているのではないだろうか?

嘘だと思うなら、自分の気持ちを振り返ってみればいい!

2004年2月9日月曜日

情熱と現実と・・・

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僕には映画監督になりたいという夢があった。
それは、ジャン・リュック・ゴダールの映像を撮る行為、
ビクトル・エリセの深い詩的な映像、
レオス・カラックスの映画愛、
ヴィム・ヴェンダースの映像にかける熱意、
ジム・ジャームッシュの実験的な映像、
そして、ケン・ローチの暖かい眼差しに影響されたものだった。

ふとした会話の中で、忘れていた感情が蘇った。
諦めてしまっていたのだろうか?
いや、諦めてはいない。
諦めない限り、可能性はそこにある。

僕は映画こそが総合芸術だと考えている。
一人だけ賛同してくれた人がいた。
しかし現実において映画は、娯楽産業の一つ、エンターテイメントと考える人がほとんどではないだろうか?
ハリウッド的映画生産法の確立。
予定調和のストーリー。売るために作られた映画。

それが良い悪いではなく、自分が求めたものを創りたくなった。
夢は諦めたくないと、急に思い立った。

2004年2月7日土曜日

Norah Jones - feels like home

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Feels Like Home

最初に聴いた印象では地味さが残った。多分前作の「Don't Know Why」のようなキャッチーな曲が無かったためだろう。
全体的に抑えたトーン、リラックスした雰囲気が漂っている。

そして、くり返し聴いている今はするめ状態である。毎日聴かないと気が済まない。(笑)
ノラの歌唱力、表現力はライブをこなしてきたことで格段に良くなったと感じる。前作では、ブルージーな曲の歌い回しに、どうもかわい子ちゃんが頑張っているという印象しか持てなかったが、最新作にはそんな印象を持たない。
それにしても、彼女の歌声とピアノの、全体を通したこの柔らかなトーンはどうだろう?
グラミー賞を総嘗めにして周りが騒がしくなったと同時に、環境面では豊かになった筈だ。音楽に没頭できる余裕がそうさせたのだろうか?

ノラのDVD「Live in New Orleans」を観てザ・バンドのファンだという事は分っていたが、今作の音作りや曲作りにそれを再確認できた。
アレサ・フランクリンやボニー・レイットという、ソウルやブルースロックを体現してきた先人を尊敬している辺りに、アメリカ音楽の良心を垣間見る事ができる。彼女の音楽はジャズの枠に納まるものではないということだ。

デューク・エリントンの「Melancholia」に歌詞を付けた「Don't Miss You At All」にセンスの良さと、新たな可能性も見えた。

2004年2月3日火曜日

情調オルガン

873bxwwk.GIF人の感情や能力を常時監視するシステム
Hotwired

僕はこの記事を読んでアンドロイドは電気羊の夢を見たか?(映画「ブレードランナー」が有名)に出てくる情調(ムード)オルガンを思い出した。
感情の監視システムは、いずれ感情をコントロールするものに変わっていくだろう。プライバシーがどうのという議論もあるようだけど、それよりもその先に見えてくるものの方が恐ろしい。

「アンドロイド~」は情調オルガンによって感情をコントロールしている人間と、アンドロイドにはどんな違いがあるのだ?という未来への警鐘を含んでいた。僕はこの記事にそんな未来を感じてしまう。

2004年1月30日金曜日

たったの2通?

クリントン前大統領の送信メールは「4000万分の2」
ITMediaニュース

意外にもというか、いややはりそうなのだろうか。記事の信憑性は兎も角として、忙しい大統領がメールを打っている暇なんて無いだろう。でも、二通の内一通はテスト送信などと書かれているところで、ネタのような気もしないではない。アメリカンジョークだ。(笑)
この国の首相は「らいおんはーと」と称して一体何通のメールを投げているのだろう。
パフォーマンスは立派だが、国民は利を被っただろうか?そろそろ実を結んだ果実を見せてもらいたいものだ。

2004年1月29日木曜日

ブログの効用

g8wqc1eo.JPGインターネット業界に従事し、日頃インターネットからの情報を中心に生きているわけだけど、それだけじゃない可能性というのを感じている。
もちろん、仕事としてクライアントに企画を提案する立場にあるのだから、常に技術的な面や広告媒体としてのインターフェース的な面の有効活用は考えている。
でもそれはそれとして、仕事を土返しした領域での可能性。簡単に言えば、「コミュニケーション」の底知れない可能性を。

そもそも自分がインターネットに興味を抱いたのは、NHKで内戦下のユーゴスラヴィアに関する特集を観たのがきっかけだった。つい昨日までは普通に接していた隣人と殺し合うという状況、それを女子高生がインターネットに日記という形で綴った。それに対して、全世界から反響が届いたという事が紹介されていた。それを観た瞬間、インターネットの底知れない可能性を感じてしまったのだ。
世界が繋がっている。誰もが発信者になれる。地球の裏側にいても、ほぼリアルタイムに意志を通じ合う事さえ出来てしまう。理想主義的かもしれないが、そう感じた。

それでもって、ふと現在の状況を見てみればいつの間にかブログが広まり始めて、誰もが発信者になるという事が、簡単に出来てしまう状況にある。しかも、トラックバックという全く新しい概念が組み込まれた事によって、増々面白くなってきた!

2004年1月27日火曜日

You and Me

6iq6joux.JPG「最近どう?」
「別に」

2004年1月25日日曜日

睡眠欲

今週は仕事が忙しく平均3時間睡眠という有り様だった。
寝なくて済むのならそうしたいのだけど、睡眠を取らない事には頭の回転も鈍るし、何とかならないものかな。

先日、「生き方上手」というベストセラーで有名な日野原重明さんがテレビの密着取材に出ているのを観た。
90歳を超えるというのに本当にお元気で、しかもよく働く。
僕が特筆したいのは、その密着取材中は執筆で朝方まで起きていたのだが、1時間ぐらい寝てまたすぐに元気に活動していた!ということ。
氏に「どうしたら短時間の睡眠で元気でいられるのですか?」と問うてみたい。

睡眠欲は、マズローの欲求では一番下の生理的欲求だけど、眠くても自己実現のために頑張れるし、安定した生活を考えればお金も欲しいし、自分の中ではマズローの段階説に対する疑念が沸いた一週間でもあった。

2004年1月17日土曜日

信州2

長野県の田中康夫知事が名刺に「信州知事 田中康夫」と記載した。
Yahoo!ニュースより

正式な改称は難しくとも、事実上の改称を目指すと言う。
僕は田中康夫のファンじゃないけれども、その試みが好きだ。
おそらく観光事業の活性化に繋がるのではないだろうか?
名前を変えるだけで、何か新しい服に着替えたような、そんな印象を覚える。

火星でJava活躍!?

1月16日、Yahoo!ニュースのそんなタイトルの記事が目に飛び込んできた!
火星探査車の操作にJavaの技術が使われているということなのだが、個人的に感慨深いものがある。
昔SEとして働いていた時期があり、その当時さほど注目されていなかったJavaの技術と思想的な部分にとてつもない魅力を感じていた。
そして、C言語による開発を控えていたにも関わらずJavaに熱中し、SE仲間や友人にJavaは凄い!絶対来る!と勝手に吹聴していたのだ。(笑)
友人は「Javaねえ。」とぬかし、まるで新しもの好きのミーハー野郎扱いだった。
しかし、そら見た事か!Javaは確実にデファクトスタンダード言語となりつつあり、宇宙開発にまで及んでいるのだ。

(あり得ないとは思うが)サン・マイクロシステムズの一人勝ちのような状況は好ましくなく、マイクロソフトの牙城を崩し始めた現在の状況が何かと健全なのかもしれない。
そして、企業の利益とは関係のないところで開発プラットフォームが超越されていく事が、多くの開発者にとって理想なのではないだろうか?

2004年1月14日水曜日

LOVE FOR SALE

73hdfx03.JPG街でこんなものを見掛けた。
何を売ってるんだろう?
オブジェそのもの?
しかも切り売り?
それともカラダのバラ売り?
部分マッサージ?
新手のファッション?
腕と足は売れてしまったのか?

答えは分かっていても、自由に想像を含まらせれば世の中面白い。

2004年1月13日火曜日

地球が回る音を聴きなさい

この連休、当初から観に行こうと思っていた「YES オノ・ヨーコ展」に行ってきた。

僕のオノ・ヨーコ開眼の契機は、7年前「グレープフルーツ・ジュース」をに手に取ったことだ。
写真が好きで、その当時仕事でも写真に関わっていた僕は、写真が載っている文庫本に興味が沸き、何気なく手に取ってみたのだった。
そして次の瞬間、その詩のような命令調の言葉の虜となってしまった。(笑)
今でもたまに適当なページを開いては、脳の活性化を図っている。

さて、今回の展示会も「グレープフルーツ・ジュース」同様、脳味噌を刺激し、想像力と創造力を大いに掻き立ててくれるものだった!
現代アートだからと言って、難しく考えたり構える必要はない。彼女のインストラクションに従えば、自ずと何らかの開眼が起こるはずだ。

展示物に「テレフォン・ピース」というものがあった。
ただ無造作に電話が置いてあるというものだが、なんとオノ・ヨーコから不定期に電話がかかってくるというのだ。
鳴る瞬間を逃すまいと耳を澄ましていたが、その日、かかってくる事はなかった。(笑)

2004年1月11日日曜日

フリーペーパー雑考

e618sn4a.JPG出版業界が厳しい状況の中、売り上げ?というのだろうかフリーペーパーはシェアを広げている。
無料というのはやはりほとんどの人にとって魅力的である。しかも、営団地下鉄で配られている「メトロポリターナ」や「メトロミニッツ」はその広告だけど広告を感じさせない編集が見事だ。
読者の立場からすると、お金を払わなければならない情報誌に較べて、よっぽど得した気分になれる。

「■■マーケティング研究所■■」の筆者は「フリーペーパーは有料雑誌を駆逐する。」と書いているが、一方でいずれ有料化するだろうと予測している。
僕はそれが一部のケースに当てはまるとしても、大部分においては当てはまるとは思わない。フリーペーパーの魅力はまさにフリーにあるからである。有料になった途端、魅力は半減してしまうものだ。それが人間の心情というものである。ターゲットが絞られている雑誌であれば、有料化も可能かもしれないが、フリーペーパーは大部分において不特定多数に向けた情報誌である。無料に魅力を感じて手を伸ばしている読者がターゲットなのだ。それが証拠に、掲載されている情報は広く雑多である。

このブログを発信しているインターネットというメディアにおいても、情報はタダで手に入るという常識が浸透してしまった。
一部の情報を除いてほとんどの情報が簡単に手に入ってしまう。それはユーザーとして喜ばしいことであるが、生業としている立場からすると、何とかならないものかという複雑な気持ちが起こるのが正直なところだ。

asahi.comに呉智英氏の興味深い記事があった。氏も出版は割りに合わないという認識のようだ。

2004年1月9日金曜日

クリエイティブ歩道

uwt7qs7h.JPG僕はWEB制作に携わっており、写真のメガエージェンシーに訪問する機会が多い。会社が近くにあるもので歩いて訪問するのだが、途中大通りがあり、信号が3本もある複雑な横断歩道を渡らなければならない。
実はそこが面白いのだ。ふと気が付くと、自分と同じようにメガエージェンシーに向かうクリエイター風情ばかりが目に付くのである。いわゆる社会人と異なる人々とばかりすれちがえるのは、きっとその横断歩道だけだろう(笑)。

不思議なもので同じ匂いがするものである。 独特の空気が流れる横断歩道。歩いてみてはいかがですか?

「私の愛は死なない」

イギリスで、亡き夫の凍結精子を使って子供を産んだ女性の言葉。

男が愛する女性とのセックスで射精するとき、果して子供が欲しいと考えているのだろうか?
もっと本能的に射精しているように思う。子孫を残すという、動物的な、遺伝子に組み込まれた記憶に従って。もちろん子作りのためのセックスの話し。
この場合快楽のためのセックスは除外。
そして、子供が欲しいと思う気持ちは女性と根本的に違うような気がする。

上記の女性は夫の子供が欲しかったと語っている。愛する人との子供。
そこには子孫を残すというよりは、愛と母性本能が働いているのだろう。

死んでしまった男性の精子により子供を産むという、ある意味人を生き返らせるようなショッキングな行為。
その狂気的な愛に、男女の感情の違いを感じてしまった。

2004年1月7日水曜日

自由な心

僕は学生時代に音楽に触れ、それ以来音楽は人生にとって必要不可欠なものとなった。
ロック、ジャズ、クラシック等々幅広く聴いてきたけど、結局心の奥深くに届いてくるのはシンプルな楽曲だ。そう言える。

このところ気に入ってずっと聴いているアーティストにアン・サリーがいる。
ボサノバ、ジャズ、歌謡曲、ロック等何でも歌いこなしてしまう実力派。現在のテクノロジーを使ったようなリズムや派手な装飾はない。至ってシンプル。楽器と歌声があるだけだ。
彼女の歌声はよく癒し系などと評される。
でも僕にとって彼女の歌が魅力的なのは、歌に自由を感じるからである。
オリジナルはなく、全てカバー。しかもほとんどがジャズやボサノバという選曲だけど、そこに時代を創ってきたミュージシャンのように歌おうという気負いは感じられない。そこに彼女の伸びやかな自由な心を感じるのである。

彼女の歌を聴いていると、知らないうちに頑なになっていた心が解される。それは僕だけじゃないはずだ。

2004年1月6日火曜日

信州

xj6ymwmm.GIF長野県の田中康夫知事が、「長野県」から「信州」へ名称の変更を検討しているらしい。
確かに「信州」という呼称は広く浸透しており、どこか風情も感じさせ、「長野県」よりも良いのではないかと思える。
「都道府県の名称変更は、県民投票で過半数の同意を得たうえで特別法を国会で制定する必要がある。」とのことだが、実現されれば面白い。
こういった事が実現されれば、日本も捨てたもんじゃないと思えませんか?

2004年1月4日日曜日

家族

正月と言えば、普段離れている家族や親戚が集まる。
久しぶりに会う感慨で、良い雰囲気が生まれるものである。
そんな事を考えている中、「はじめてのおつかい」というテレビ番組を観た。
三つ四つの子供におつかいを頼んで、その様子を眺めるという単純なものだ。
これが何故か意外に感動を誘う。
思うに、映像を観ているうちに親の子を想う心を感じ、子供の不安な心情を自分の小さな頃と重ね思い出し、そこに家族愛を感じるからではないのかと。

人が一生を生きていく間には様々な人に出会う。
そこに友人や恋人もいれば、自分に対して恨みや憎しみを抱いた人間もいる。
ただ、それらの感情を全て度外視した愛情が常に存在するのが家族なのだろう。

思い掛けなく、テレビ番組からそんな事を再認識させられた正月だった。

2004年1月1日木曜日

A Happy New Year

n67wb3rn.JPG年々、日本の正月らしさというものがなくなっていくが、年賀状という習慣はなくならないだろうな。人には時間の感覚があって、もの事を整理するには区切り目が必要だから。年賀状はそのツール。

クリスマスから正月にかけての思い出は、幼い頃の記憶が多くを占めるのではないだろうか?幼い頃の暖かく包まれていたイメージ。。。

 

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