2004年7月5日月曜日

21g

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21グラム

久々に心にずしりとくる映画だった。
プロモーションではポップに扱われている21gだけど、映画を見終わればそれは重い21gだと気づく。

登場人物はそれぞれに苦しみを背負っていて、自分の日常に照らし合わせて感情移入するのは難しいかもしれない。それでも、それぞれが抱える心の闇には惹き付けられずにはいられない。身近な死や自分の死を境に、「それでも人生は続いていくのか、続かないのか」それが各々の人生観となっていて、人間の尊厳や生き方がテーマと感じられた。

はじめは時間が交錯する形で提示され、次第に絡んだ糸がほぐれていくような感じで各々の関係が見えてくる展開にぐいぐいと惹き付けられた。その手法だけに走った映画であれば凡百のものとなんら変わりなかったのであろうが、そこに人間の生き方がテーマとしてあったから素晴らしい映画になったのだと思う。

なかでもベニチオ・デル・トロの演技は今後忘れられないぐらいに素晴らしいと思った。苦悩と悲しみのあんな目をできる俳優は見た事がない。。

一見すると救いのない映画のようだが、最後には何故か希望も感じ取ることができた。それは、この映画の監督が人間の矛盾を描きながらも、力強く生きていく事が大事だと訴えているからなのかもしれない。

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