2007年11月7日水曜日

不変であること

Bruce Springsteen - Magic

この視界に入るもので不変なものなど見つからない。
だけど、スプリングスティーンのニューアルバムを聴いて、不変なものがあることに気付いた。

魂。

演奏スタイルが変わろうとも、身にまとう衣が変わろうとも、魂の核は変わっていない。
U2にも同じことが言える。村上春樹にも、三つ子にも。
核は変えちゃいけない。それが変わらないから信じられるのだ。


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Joni Mitchell - Shine

ジョニ・ミッチェルを聴くと、いつも初冬の朝のキリリとした空気を想い出す。
だけどブランクをおいた今回のアルバムにはいつもと違う印象を持った。
非常にリラックスした雰囲気。尚新たなチャレンジを見せる音楽。
美しさと儚さと力強さとしなやかさ。
こんなに様々な印象を受ける音楽にはそうそう出会えない。


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Eddie Vedder - Into The Wild

エディの声が好きだ。パール・ジャムを最初から好きになった最も大きな要因はそこにある。
その意味で、このアルバムはエディの声がたっぷりと堪能できる素敵なアルバムだ。
それはさておき、彼の哲学が昇華された作品だと感じた。
やりたかったことが成し遂げた晴れ晴れしささえ感じられる。

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Erin McKeown - Sing You Sinners

凛とした歌声が気持ち良い。
会社の同僚、ローラお薦めのフォークジャズ。


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2007年11月5日月曜日

Tokyo Desiner's Week 2007

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Tokyo Desiner's Week 2007に行ってみた。

2,000円の入場料を取るのだから、例えば映画一本観たときと同じぐらいの心の満足感が

得られることを期待したわけなのだが、満足度としてはやや物足りないといった感じ。

例えば、興味のあるアート作品を観るためには美術館で大体1,000円ぐらい支払うことになるが、

見てがっかりということも間々あるわけで、それに似た感覚だった。

面白いと思った「JAPAN BLAND」のエキシビジョンにしても、それぞれの展示品が少なすぎて

消化不良といった感が否めない。物を作っている人たちからすれば、それで興味をもった

流通業者とのコネクションができれば良いのかもしれないが。


学生達も頑張っているのかもしれないが、どうも学園祭の乗りに見えて仕方がない。

ビジネス感覚もプロの感覚も持ち合わせないのだから、一応プロの自分からしたら

そう見えるのも当たり前と言えば当たり前だけど、お金を払っているわけで。


お金を出してその場に行かなくとも、ちょっとデザインに気をつけて生活していれば、

普段の生活の中でもお目にかかれるモノが多かった。

とにかく薄っぺらい感じだけが残ってしまった。



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ただ一つ大きな収穫は、中谷美紀と至近距離で会えて視線が合ったことかな(笑)。

2007年11月4日日曜日

PAN'S LABYRINTH パンズ・ラビリンス

この映画を観て一番最初に想いだしたのは、ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」だった。

スペイン内乱の時代背景と、大人たちの争いとは無縁である子供の世界。

しかし、自分が子供であったことも忘れ、愚かな行いを繰り返す大人たち。


だけど、決定的に違うのは現実に立ち返る「ミツバチのささやき」に対して、

「パンズ・ラビリンス」はあくまでもファンタジーであること。

また、パン(=牧羊神)という言葉からギリシャ神話をモチーフにしていることも想像に難くない。

大人たちの惨劇は幾分やりすぎ(見せすぎ)の感もあるけど、主人公の女の子(オフェリア)の

演技が素晴らしいため、後味は悪くない。


映画冒頭、オフェリアのための子守唄が流れるのだが、それが子守唄であることは、

話が進む中で分かり、最後にはその切なさと相まって深い余韻を残す。

「ミツバチのささやき」同様、これは大人のための映画だと思った。



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(C)2006ESTUDIOS PICASSO,TEQUILAGANGYESPERANTOFILMOJ.


METHENY MEHLDAU QUARTET 2007.9.29 鎌倉芸術館


ブラッド・メルドーとパット・メセニー、2回目のコラボレーションでの来日。

この二人は似て非なるタイプで、年の若いメルドーよりもむしろ50を超えたメセニーの方が

無邪気で型にはまらない自由さを感じさせてくれる。

メルドーはいつものようにピアノに取り憑かれたように演奏しているのだが、

メセニーは演奏中、ほとんど笑顔の状態で、外に発散するパワーが感じられた。

音だけを聴けばメルドーの方が好みなのだが、メセニーの自由奔放な雰囲気には惹かれる。

そういった対照的な二人だからこそ、マッチしているのかもしれないが。


CDで聴いているときは、デュエットの部分ばかりに耳がいっていたが、

ライブを目と耳で感じ、メルドー・トリオの演奏がメセニーのバックとして

非常にマッチしていることに驚いた。

特にジェフ・バラード(drums)はメルドーとメセニーの特徴を捉えて、

それぞれの良さを引き出すために、時には前に出たり、後ろに引いて堅固なリズムを

刻むのだが、そこに彼独特の味付けが加わり非常に楽しめた。


ホンモノの実力を持ったミュージシャンが集まり、それぞれの役割をきっちりこなすと

自分のつまらぬ偏見など覆すマジックが生まれるのだと実感できた夜だった。


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