2005年2月24日木曜日

盲目的な創造音 Brad Mehldau

2年前と同じ場所でブラッド・メルドーのソロ演奏を聴いた。
彼の演奏には、初めて触れたときから、いつもクリエイティヴィティを刺激されてきた。
今回もまたその盲目的なまでの集中力に圧倒されると同時に、
惜し気もなく発揮されるこの2年間に培った創造性が、僕の右脳を激しく揺らした。

心を掻き乱さないギリギリの線で、繊細なまでに鳴り響く右手のアルペジオ。
その絶え間ない動きとは対称的な左手が導き出すメロディ。
それはブラッド・メルドーの代名詞ともなりつつあるスタイルだ。
ビル・エヴァンズやキース・ジャレットなど過去の巨人と比較されようとも、
彼は既に過去のピアニストを超えて、現在この瞬間に鳴り響く
ピアニストととして最高の形を創り上げているのだと確信した。

次にどんな音楽を聴かせてくれるのか、非常に楽しみだ。


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2005年2月9日水曜日

NEVERLAND

ネバーランド

普段から遊び心を意識して生きているつもりだった。
頭の堅いつまらぬ大人なんかになるものかと。
しかし、知らず知らずのうちに心は硬質化していたらしい。
この映画を観て気付かされた。

何ものにも捕われない自由な発想は、
意識しているだけでは風化してしまうもの。
創造力を生かしておくためには、心にネバーランドを持つべきだと
ピーター・パンの作者バリが語りかけてくるようだ。

子供たちの母親が、臨終の際にネバーランドに足を踏み入れていく様には、
思わず目頭が熱くなった。最後の時があれほどまでに穏やかなもので
あるなら、それが一番の幸せなのかもしれない。

少しでも硬質化した部分を砕きながら、自由に生きていきたい。

 

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