2004年10月27日水曜日

魂の叫び -1988 -

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魂の叫び


ヨシュア・トゥリーでロックバンドとして行き着くところまで行き着いたU2は、自然な帰結として音楽のルーツを辿る。ドキュメンタリー映画のサントラ盤だけど、コンセプトアルバムとして素晴らしい完成度を誇る。

邦題に「魂の叫び」とある通り、ライブでの演奏でも新曲においてもボノは命を絞り切るように叫ぶ。U2(ボノ)の姿には神々しささえ感じられる。妥協を許さない常に真剣な表情のボノは、モノトーンイメージが助長するためか、同時代に生きているということが奇跡的に思えた。

BBキングやボブ・ディランとの共演作では、先輩に対する憧れや尊敬の念がほんの少しだけだが伺われ、U2の若さが感じられる。BBキングは共演作の歌詞を読んで、「若いのにヘヴィな詞を書く」とボノを賞賛する。

ルーツを辿ったU2は次に大胆な変身を遂げていくことになる。

2004年10月24日日曜日

Achtung Baby - 1991 -

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Achtung Baby


現在に至るU2の歴史の中で最も衝撃的なアルバム。
モノクロのトーンに常にしかめっ面だったボノが、ハイトーンでセクシーな歌声を身に付け、微笑みながら歌う姿を誰が想像しただろうか?

ボノの歌唱法はそれまでの命を絞り出すような叫びと明らかに異なり、色気を帯びたものとなり、エッジのギターはそれまでにないうねりを持ち、アダムとラリーのリズムセクションはダンサンブルなリズムを大胆に取り入れ、バンドにおける存在感を増している。
全編を通して、ボノの歌声は何かに取り付かれたかのように妖しく響きわたるのだが、インタビューに答えて「歌を唄う喜びを初めて感じた」と語っている通り、その程度に差はあれ、聴き手を陶酔へと導く。

このアルバムに収録されている「One」はU2の数々の名曲の中でも、最も人気の高い曲だ。
ここからU2の新しい音楽の旅が始まった。

2004年10月20日水曜日

人格は記憶に左右されるのだろうか?

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2/3の不在


電車に乗る際の暇つぶしに買ってみた本だけど、思わぬ拾いものだった。
美しい描写にぐいぐい物語りに引き込まれていくのと、主人公の置かれた状況が
12歳以降の記憶を無くしてしまった36歳の男性という設定も、興味深く小説に
引き込まれる要因だった。

身近にいる人達は、彼が記憶をなくした事を手に取れる実感として受け止められない。
だって見た目は何も変わらないのだから。
彼に悪意はなくとも、人々は徐々に離れていってしまう。
奥さんと、記憶を無くした彼のやりきれない心理描写は、もし自分が記憶を
無くした場合にそのような状況に陥ってしまうだろうと思わせる程リアルだ。

そしてこの小説は、途中から思わぬ方向へ展開していく。
記憶と人格という大きなテーマを掲げながら。。
記憶が単なる情報に過ぎないとしたら、それに影響されてしまう人格は、
人々が思っているほど絶対的なものではないのだろうか?
経験と記憶は人格にどのように関わっていくのだろうか?
そんな事を考えさせられた。

もしここ10年間の記憶を失ったとしたら、果たしてこれから進もうと思っていた道を
歩んでいけるのだろうか?愛する人は他人になってしまうのだろうか?
自我とは何なのだろうか?

以下、ネタバレ注意











他人の記憶を移植するという突飛もない実験に参加した彼は、
移植された記憶に気も狂わんばかりとなってしまう。
誰しも、人の心を覗いてみたいと思うことがあるかもしれない。
しかしそれは危険な賭けなのだ。

体験していないけど実感として頭の中に存在する記憶。
それは不確かだけど確かな感触を残す。
空恐ろしい気もするが、例えば自分の尊敬する人物の記憶をもつことが
できるとしたら、どんな気持ちがするのだろうか?



2004年10月13日水曜日

カレー Part2

飯田橋にあるKUON
ここも穴場です。

いつ行っても空いているのが、いいのか悪いのか。
この店で出されるカレーは絶妙。本格的なインドカレーを日本のカレーとミックスしたような、日本人の舌にしっくりとくる味わいがあります。

2004年10月12日火曜日

究極の癒し ー ジョアン・ジルベルト



神様ジョアン・ジルベルトのコンサートに行ってきた。
凄すぎる。何が凄いって、演奏に対する強靱的な集中力。
夕方5時に始まったコンサートが終わったのは9時過ぎで、4時間近く演奏を行っていたにも関わらず、そのボーカルにもギターにも疲れを見せなかった。御年72歳とは思えない体力だ。

昨年の初来日の際にも話題になっていたフリーズが、この目の前で起こった!
本人によると、観客一人一人の拍手を感じたいがために、全集中を傾けているとのことなのだが、見ている観客には突然力つきて休んでしまったように見えてしまう。観客はみんな暖かい拍手を送っているんだけど、身じろぎせずに固まっている姿に、20分も経つとさすがに「?」が頭の中に浮かんでくる。かなり特異な時間帯だった。しかし、その後堰を切ったようにだけど淡々と、40曲もの演奏を聴かせてくれた。神の領域に踏み込んでいる人のやる事は常人の理解を越えるものだ。

まわりの人達の様子を伺っていたけど、これだけ感動しながら寝てしまう演奏も、ジョアンのコンサートだからこそというもの。究極の癒しがそこにある。

2004年10月3日日曜日

カレー好きにとっておきの情報を

日本人は基本的にカレーが好きだと思うのだけど(嫌いな人に会ったことがない)、そんな人達へとっておきの情報を。

池袋西武の12F、WAVEの側にある「カフェ・メディオ」、ここのチキンカレーが最高!言葉で表現するのは難しいけど、とにかく「うまい!」の一言が口を衝いて出るはず。店の設置場所からはとても想像できない味です。穴場だけど、敢えてここで紹介します。というのも以前、気に入っていた穴場の店が、客入りが悪く潰れてしまったということがあり、その二の舞いは繰り返したくないという気持から。お気に入りの店が無くなると変にがっかりしたりするものですよね。

ちなみにこの店はハーブティーが充実しており、お茶を楽しむのも良いかもしれません。


 

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