2004年11月13日土曜日

POP -1997-

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POP


「Achtung Baby」に始まった電脳U2を締めくくるアルバム。
無機質な電子音がメロディの端々から現れ、かなりのファンが戸惑ったのではないだろうか。POPというタイトルにも、U2らしいアイロニーが込められている。歌詞を読む限り、とても単なるポップスとは思えない。

他のアルバムもそうなのだけど、年月を経ても尚心に突き刺さる曲のクオリティはさすがだ。どこまでも悲しい曲が多いのだけど、それを覆い隠す音は本当にかっこ良い。「Last Night on Earth」には、ドアーズに通じる衝撃や退廃感、セクシーさみたいなものを感じ、U2の、ロックと呼べる曲の中で一番好きだ。「MOFO」はロックの既成概念を突き破ったが、今となってはロック以外のなにものでもない。アルバム後半に進むにつれ、いつものU2が顔を出し、「Please」に至ってはいつの間にか電子音が消えている。当初、「Wake Up Dead Man」はアルバムに入れることを躊躇ったという。この曲にはボノの政治や生きていく事に対する深い想いが込められていて、苦悩さえ感じられる。

「Joshua Tree」から10年。表層の音は違えど、U2の魂は変わらない。

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