2007年12月28日金曜日

The Joshua Tree 20th

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特別な音楽だ。

ずっと聴いてきた。

リアルタイムで聴いてきたのだから、20年も経つのかという感慨もある。

U2はその間、モノトーンから眩いばかりのフルカラーに変貌して世間を欺いたり、

青筋を立てて歌っていた、その青臭さを巧みに成熟させてきた。

でもその青臭さと成熟の間の絶妙なるこの時期が、ある視点においては

全盛の時代と言えるのだろう。ファンとしては今この時が全盛なのだけど。

付属DVDで当時のパリでのライブを観ると、ボノの声は本当に凄かった。

10代後半の僕はこの声にやられたのだ。惚れ込んでいた。

それから当時からしきりにスニペットを行っていたことに気付いたが、

DOORSの「Break On Through (To The Other Side) 」を歌うくだりには鳥肌が立った。

個人的には10年後のアルバム「POP」の「Last Night on Earth」に

DOORS的なロックを感じていたが、ボノもきっとDOORSが好きなのだろう。


本体の「The Joshua Tree」はリマスターによって、音の輪郭がくっきりとした。

「Achtung Baby」以降格段に進歩したように思っていたラリーとアダムのリズム隊は、

実は既にそのグルーブ感を披露していたことが分かった。



2007年12月17日月曜日

Life is short but, by the grace of God, The night is long

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良い音楽との出会いは人との出会い同様、何の前触れもなく訪れる。

このアルバムには音楽への愛と人間への愛、自国への想いが巧みに散りばめられていて、

それらが彼の哲学と共にゆっくりと確実に心に染みてくる。

最初甲高い声に少し不快感を覚えたが、いつの間にかその声がとても

魅力的に感じられるようになった。中毒気味に何度でも聴きたくなってしまうのだ。

人生の機微を本当にわかっているシンガーソングライターとしては、

ディランやスプリングスティーンに匹敵するとさえ感じている。

そこに音楽の良さも上乗せされているのだから、悪いはずがない。

これからも一生聴き続けるアルバムになりそうだ。

2007年11月7日水曜日

不変であること

Bruce Springsteen - Magic

この視界に入るもので不変なものなど見つからない。
だけど、スプリングスティーンのニューアルバムを聴いて、不変なものがあることに気付いた。

魂。

演奏スタイルが変わろうとも、身にまとう衣が変わろうとも、魂の核は変わっていない。
U2にも同じことが言える。村上春樹にも、三つ子にも。
核は変えちゃいけない。それが変わらないから信じられるのだ。


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Joni Mitchell - Shine

ジョニ・ミッチェルを聴くと、いつも初冬の朝のキリリとした空気を想い出す。
だけどブランクをおいた今回のアルバムにはいつもと違う印象を持った。
非常にリラックスした雰囲気。尚新たなチャレンジを見せる音楽。
美しさと儚さと力強さとしなやかさ。
こんなに様々な印象を受ける音楽にはそうそう出会えない。


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Eddie Vedder - Into The Wild

エディの声が好きだ。パール・ジャムを最初から好きになった最も大きな要因はそこにある。
その意味で、このアルバムはエディの声がたっぷりと堪能できる素敵なアルバムだ。
それはさておき、彼の哲学が昇華された作品だと感じた。
やりたかったことが成し遂げた晴れ晴れしささえ感じられる。

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Erin McKeown - Sing You Sinners

凛とした歌声が気持ち良い。
会社の同僚、ローラお薦めのフォークジャズ。


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2007年11月5日月曜日

Tokyo Desiner's Week 2007

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Tokyo Desiner's Week 2007に行ってみた。

2,000円の入場料を取るのだから、例えば映画一本観たときと同じぐらいの心の満足感が

得られることを期待したわけなのだが、満足度としてはやや物足りないといった感じ。

例えば、興味のあるアート作品を観るためには美術館で大体1,000円ぐらい支払うことになるが、

見てがっかりということも間々あるわけで、それに似た感覚だった。

面白いと思った「JAPAN BLAND」のエキシビジョンにしても、それぞれの展示品が少なすぎて

消化不良といった感が否めない。物を作っている人たちからすれば、それで興味をもった

流通業者とのコネクションができれば良いのかもしれないが。


学生達も頑張っているのかもしれないが、どうも学園祭の乗りに見えて仕方がない。

ビジネス感覚もプロの感覚も持ち合わせないのだから、一応プロの自分からしたら

そう見えるのも当たり前と言えば当たり前だけど、お金を払っているわけで。


お金を出してその場に行かなくとも、ちょっとデザインに気をつけて生活していれば、

普段の生活の中でもお目にかかれるモノが多かった。

とにかく薄っぺらい感じだけが残ってしまった。



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ただ一つ大きな収穫は、中谷美紀と至近距離で会えて視線が合ったことかな(笑)。

2007年11月4日日曜日

PAN'S LABYRINTH パンズ・ラビリンス

この映画を観て一番最初に想いだしたのは、ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」だった。

スペイン内乱の時代背景と、大人たちの争いとは無縁である子供の世界。

しかし、自分が子供であったことも忘れ、愚かな行いを繰り返す大人たち。


だけど、決定的に違うのは現実に立ち返る「ミツバチのささやき」に対して、

「パンズ・ラビリンス」はあくまでもファンタジーであること。

また、パン(=牧羊神)という言葉からギリシャ神話をモチーフにしていることも想像に難くない。

大人たちの惨劇は幾分やりすぎ(見せすぎ)の感もあるけど、主人公の女の子(オフェリア)の

演技が素晴らしいため、後味は悪くない。


映画冒頭、オフェリアのための子守唄が流れるのだが、それが子守唄であることは、

話が進む中で分かり、最後にはその切なさと相まって深い余韻を残す。

「ミツバチのささやき」同様、これは大人のための映画だと思った。



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(C)2006ESTUDIOS PICASSO,TEQUILAGANGYESPERANTOFILMOJ.


METHENY MEHLDAU QUARTET 2007.9.29 鎌倉芸術館


ブラッド・メルドーとパット・メセニー、2回目のコラボレーションでの来日。

この二人は似て非なるタイプで、年の若いメルドーよりもむしろ50を超えたメセニーの方が

無邪気で型にはまらない自由さを感じさせてくれる。

メルドーはいつものようにピアノに取り憑かれたように演奏しているのだが、

メセニーは演奏中、ほとんど笑顔の状態で、外に発散するパワーが感じられた。

音だけを聴けばメルドーの方が好みなのだが、メセニーの自由奔放な雰囲気には惹かれる。

そういった対照的な二人だからこそ、マッチしているのかもしれないが。


CDで聴いているときは、デュエットの部分ばかりに耳がいっていたが、

ライブを目と耳で感じ、メルドー・トリオの演奏がメセニーのバックとして

非常にマッチしていることに驚いた。

特にジェフ・バラード(drums)はメルドーとメセニーの特徴を捉えて、

それぞれの良さを引き出すために、時には前に出たり、後ろに引いて堅固なリズムを

刻むのだが、そこに彼独特の味付けが加わり非常に楽しめた。


ホンモノの実力を持ったミュージシャンが集まり、それぞれの役割をきっちりこなすと

自分のつまらぬ偏見など覆すマジックが生まれるのだと実感できた夜だった。


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2007年9月30日日曜日

題名のない子守唄

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題名のない子守唄



ジュゼッペ・トルナトーレ久々の作品にして、異色作。
あえてジャンルを分けるとすればミステリーの部類に入る作品で、
トルナトーレの作品に必ず含まれてきたユーモアや心が温かくなる情景はない。

見終わって感じたことは、女性性が強く打ち出された作品であること。
もちろん主役が女性であり、その過去も女性ならではの苦悩に満ちているのだが、
最後の最後まで女性視点だった。もしくは、女性の感情の強さが渦巻いていた。
始まりの映像で惹き込まれ、主役女性の演技にも驚き、この映画は確かに
一級の作品だと思うのだけど、今ひとつ入り込めなかったのは、
その女性性に因るものだろう。

それと、トルナトーレが伝えたいことが今ひとつぶれているような気がした。
恐らく彼が日頃考えている社会問題を訴えたかったこともあるのかもしれないが、
それと、作品としての面白さを追求する部分がうまく融合できなかったというか、
新機軸に挑戦したが故にまとめ切れなかったのではないだろうか。


2007年9月1日土曜日

のびろのびろ大好きな木

アン・サリーの伸びやかな歌声が歌詞とマッチして、

爽やかな風と力強く生きる勇気を与えてくれる。

彼女の歌声はCDやTVといった媒体を通すよりも生で聴いた方が断然いい。

この歌も生で聴きたい。



2007年7月15日日曜日

村上龍 × 坂本龍一

MSNビデオ RVR 村上龍 x 坂本龍一

LIVE EARTHに合わせYMOを14年振りに再結成させたこともあり、
村上龍が坂本龍一と環境問題などについて語っているのだが、
この人ってこんなに俗っぽかったのかな。

確かにいつも取り上げる時事ネタは、良く言えば庶民感覚というか、
ワイドショーに近い感覚を感じてはいた。

この対談では大局を語る龍一氏との対照を意識したのか、
近視眼的というか、専門家に対する素人みたいな返しになっている。
意図してそうしているようにも見えず、これまで自分が何故か
この人の著作に積極的に触れてこなかった理由が見えたような気がする。

個人の嗜好の問題でもあるかもしれないが、この人の作品の題材には
あまり惹かれることがなく、そこにワイドショー的というと語弊があるかもしれないが、
どこか下世話な感触があったからだと思う。

そういった意味では、対談自体はバランスが良かったのかな。

龍一氏は常に自分を客観的に捉えていて、今回のLIVE EARTHへの参加も
社会的にどんな印象を与えるかきちんと把握している。
環境問題にしても、現実を直視しながら理想を掲げている。
悲観もあるのだろうけど、そんなことはおくびにも見せないところがいい。

2007年7月10日火曜日

U2モデルのiPodがなくなる?

世界最大の音楽レーベルであるVivendi傘下のUniversal Music Groupは先週、iTunesを経由した楽曲の年間販売契約を更新しないことをAppleに伝えた。この情報は、両社が秘密裏に交渉を進めているため匿名を希望したUniversalの幹部複数が明らかにしたもの。
New York Times CNET JAPAN より


うーむ。仕事上、日本の業界にはいつも辟易していたけど、恐れていたことが起こってしまった。
これが事実にならないことを祈りたい。



2007年6月27日水曜日

Hungry Heart

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何を成しても、何を見ても、何を聴いても満たされない。

人の欲はどれだけ深いのだろうか。

あまりに多くのものに触れることは、既視感を生み、

全てが焼き直しに思えてしまうことがある。

こんなときは“ホンモノ”に触れるしかないのだろうな。

2007年6月18日月曜日

水面に思う

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インターネットは今や社会のインフラとなり、知識の共有は当たり前のこと。
ブログやSNSを通して細い繋がりや太い繋がりが無数に派生している。
日常の極くだらないことから、社会的な貢献やビジネスまで並列に。
それはとてもエキサイティングなことだ。

しかし、五感を必要としないコミュニケーションはすごく脆いものだと思う。
繋がりは簡単に断たれ、感情は希薄になりがちだ。
情報を正しく見極める頭や目がなければ、誤った情報に踊らされてしまう。
普及率とは異なり、実際はまだまだ多くの人にとって未知の世界で、
“使い方”の確立はこれからの課題だと思う。

引き返すことは出来ないのだから、インターネットの利用を本気で
考えなければならない時期に来ているのだと思う。
インフラとして誰もが出来るだけ安く使えること。
アダルトや有害サイトから子供を守るためのデフォルトの設定。
簡単なインターフェースを持った家電の登場。
著作権問題の解決。

インターネットを生業とする自分は、これらをきちんと見極めて、
少しでも世の中の役に立つようなことを推進できたらと思う。

2007年6月15日金曜日

Ashes and Snow

こんなアーティストが世の中にいたのかと感心した。
そして、いつの間にか写真や映像に強く惹き付けられている自分に気付いた。
言葉では言い表せない、これまでにない感動を味わった。

世界を旅する美術館という発想、そこに提示される野生の動物と人間のコミュニケーション。
創造性が豊かだ。写真を手漉きの和紙に焼き付けるという手法も。
展示場は人工的な空間ではあるわけだが、坂茂の内装も含め人を暖かく包んでくれる。
安心感に近い、やすらぎさえ感じられた。
写真の配置、証明、映像装置、全てが渾然となって人の感覚を包んでくれる。


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ありきたりだが、人間などちっぽけな存在だと気付かされる。
そして本当は自然の一部であることも。


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動物達のなんと気高く美しいことか。


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2007年6月4日月曜日

殯の森

観終わった後では素晴らしい余韻が残ったものの、
前半部分のドキュメンタリータッチな描写には気持ち悪さが残った。
手法の問題かもしれないが、中途半端な感は否めない。
これがカンヌで賞を取った作品であると知らなければ、途中で観るのを止めたかもしれない。

奈良の山間の自然や茶畑でのかくれんぼ、ラストの静謐な森の中。一つ一つのシーンは美しい。
監督がインタビューで語っていた、人と人の繋がりにとって大切なものは感情であるということも、
最後まで観れば伝わってくる。森に入り込んでからの展開は、芸術として圧巻だと思った。

それだけに、前半部分の中途半端さが残念だった。


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2007年6月3日日曜日

竹林の庭 - 鎌倉 報国寺

The garden of  bamboo forest

人の手で丁寧に手入れされている竹林の庭に、
ここ数年感じたことのない崇高な印象を受けた。

チーフタンズ

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こういう音楽は、頭じゃなく身体で聴いて楽しむものだと感じた。
こんなに楽しいコンサートにはそう出会えるものじゃない。
長年に渡って積み上げてきたキャリアと、新世代の力が合わさって、
チーフタンズは充実の極みにあるのかもしれない。

残念だけど、元ちとせとの取り組みは、今回のコンサートには蛇足と感じた。

The Chieftains - Pavarotti & Friends Together for the Children of Bosnia



2007年5月27日日曜日

マルレーネ・デュマス

写真が観る側に感性を求めるものだとしたら、絵画は描く側がそれを補助してくれる表現
であることを、このマルレーネ・デュマスの作品を観て気付いた。

写真を元に人々の表情から内面を描く作業は、ベルリン天使の詩のように人種、年齢、性別を
超え、様々な人々の心に優しく触れる作業なのかもしれない。
しかし、人間の心の奥底には恐ろしい闇が潜んでいる。
マルレーネの絵を観てはっとさせられるのは、そんな闇があからさまに提示されているからだろう。

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2007年5月5日土曜日

月とラクダの夢を見た

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中山うり DoReMiFa


こんな出会いはそう滅多にあるもんじゃない。
まず声がいい。そして音楽性が豊かだ。
新人だけど、ほとんど完成されている。
アコーディオンとトランペットを操る中山うり中山うり
こんな音楽に出会えるからこそ、音楽を聴き続けられるのかもしれない。

まだiTMSでしか音源が聴けない。もうじきアルバムが出るようだ。
そんな流通はまさに今の時代の音楽の証。


 iTunes Store(Japan)


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最近買ったCDも良作が続いている。
ビョークは、普段すっかり眠ってしまっている自分の感性を、
「ほら、寝てたらつまらないじゃない」とでも言うかのようにくすぐり起こしてくれる。
ジャンルなんて言葉を持ち出すと陳腐に聞こえるだけだが、
ビョークはどんなジャンルにも属さない。ビョークという音楽なのだ。

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bjork volta



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パティ・スミス、久々のアルバムはカバーアルバム。
選曲を知った時点からかなり楽しみにしていたのだが、
想像をはるかに超える出来だ。年季が違う。
彼女はロックレジェンドを体現してきた人なのだ。
その人がいつまでも色褪せることのない名曲を歌うのだから、
そこには化学反応が発生して当然かもしれない。
それぞれの曲について本人が解説しているのだけど、それもまたいい。
ニールヤングのHelpless、ニルヴァーナのSmells Like Teen Spirit
スティーヴィー・ワンダーのPastime Paradiseが特にいい。
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Patti Smith twelve



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サラ・ガザレクは、アレンジが凝っていて面白い。飽きない。
オリジナル楽曲にもキラッと光るセンスが感じられる。
まさに新世代のジャズという感じ。
歌唱力もあるし、演奏もタイトで良い。
ここにノラが持っている味わいが加わると、そこそこブレイクするのではないだろうか。
サラの方が所謂ジャズボーカルの範疇に納まるかもしれないが。
ルックスも良く、今後も非常に楽しみなアーティストだ。

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Sara Gazarek Yours



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ミシェル・カミロとトマティートのコラボレーション。
心地よい緊張感のある演奏で、一度聴き始めると耳が離せない。
超絶技巧を持ち合わせた二人の魂の演奏。はっきり言って凄まじい。

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Michel Camilo & Tomatito  Spain


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Michel Camilo & Tomatito  Spain Again


2007年3月27日火曜日

GOGOモンスター

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純粋で儚い感覚を失うことによって大人に一歩一歩近づいていく。

そんな事を思い出させてくれる作品。

昔感じたあの気持ちを今は感じることができないけど、

このマンガを読んで、なんとなくその感覚が思い出された。

少年がその感覚を失っていく過程の表現に圧倒された。

思えば自分の思考もあのような混沌とした闇と光に包まれていたような気がする。

とてつもなく懐かしく、寂しい、でも心を暖かくしてくれる。

この作品は単なるマンガではなく、絵本でありアートだと思う。


2007年3月19日月曜日

魂の声を聴け

 "Love Reign Ore' Me" Pearl Jam

久しぶりにこんな声を聴いた。
二十歳そこそこの時に感じた、どこにもやり場のない思いに似た、
飛翔するための叫び。初期のPearl Jamを思い出す。

もちろんエディ・ヴェダーも年を重ねているわけだが、
成熟した中に失われていないものを感じて嬉しくなった。


人は道に迷ったときに最初に居た場所を振り返ることによって、自分の位置を取り戻す。
それが歌い手にも聴く側にも作用することを思うと、とても素晴らしいことと思える。

2007年3月5日月曜日

中目黒を歩いてみる

Meguro River

春のような陽気に誘われ、中目黒を歩いた。
久々に自分のペースで歩いてみると、いろいろなものが見えてくるもので、
街には人々の足跡があることに気付いた。
様々な思いがこの道を通り過ぎて、季節の空気に触れて“今”の色を醸し出している。

季節の変わり目の匂いが好きだ。
古い季節に溜まった膿を忘れさせてくれる。
何か新しいものに出会える予感を与えてくれる。

2007年2月12日月曜日

ライカ始動

D-LUX 3で初撮影
flickrにアップしてみた。

このカメラは写真を撮ることが楽しくなる。


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2007年2月5日月曜日

Leica D-LUX3

ライカのデジカメを手に入れた。
値段は高かったが、デザインといい、性能といい大満足。

とりあえずリビングでテスト撮影。

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これが愛機。
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2007年1月8日月曜日

硫黄島に掲げられた星条旗と届けられなかった手紙

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「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」を観た。
硫黄島という名前は知っていたが、深く歴史を学ばなかった僕にとっては教科書に出てくる
歴史上のキーワードの一つに過ぎず、こうしてクリント・イーストウッドが映画として
取り上げてくれなかったら、この先一生、この史実を知ることがなかったかもしれない。

あくまでも映画なので、ディテールなど細かく見ていけば誤りがあったりするのだろうが、
一つの戦闘が両側から公平な視点で描かれたことは画期的なことだと思う。
クリント・イーストウッドの作品に一貫して貫かれている精緻でストイックな描写は
この戦争の悲惨さを伝えるのにまさに打って付けだったのではないだろうか。

どちらも上映時間の長い作品だけど、その長さは感じなかった。
激しい戦闘シーンや残酷な殺戮シーン、主要人物の対話シーン、
後になって振り返ってみると、どれをとっても詩的な映像となって記憶に残っている。
しかしそれは映画の中身の良さというよりは、技法の問題なのかもしれない。
これまでに観てきた戦争映画を凌駕する作品だとは感じなかった。

とは言え、二作品とも優れた映画であることには異論がなく、
「硫黄島からの手紙」を撮ったクリント・イーストウッドには脱帽。
外国人が撮った作品でこれだけ日本人がきちんと描かれたのは初めてだろう。
それに、日本人には撮れなかった映画を撮ったという意味でも。
日本人の演技はそれぞれが印象深く素晴らしかった。
中でも嵐の二宮君は非常に頑張ったと思う。最後の表情も良かった。

映画の中では軽くしか触れられないが、どちらの国にも政治的な問題が見え隠れしている。
戦争で犠牲を強いられるのは市民であり、問題提起を行うこういった作品を作るのも市民。
政治家にこそ観てもらいたい作品だ。


今回の映画の主題とは直接関係ないのだが、「お国のために戦場に行って死んで来い」
「お国のためなら~」という無理強いで理不尽なことを押し付ける人たちの思考には
日本人のDNAとして空恐ろしいものを感じた。そして、ホリエモンに傾倒して、
モラルを無視してでもお金を儲けることを正当化する最近の若者に、ふとそのDNAを感じた。



 

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