2005年5月22日日曜日

さよなら、さよならハリウッド

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小気味良いテンポ、風刺の利いたユーモア、少しだけホロリとさせるロマンス。
ある意味、完璧と言ってもよいぐらいの映画。
映画館であれだけの笑い声を聞いたのも久しぶりだなー。

とは言え、ウディ・アレンの映画なので皮肉満載。
目が見えなくなるというエピソードなんてそのまんまのメタファーで、
ハリウッド映画に対する痛烈な皮肉になってるし、ネタばれかもしれないけど、
フランス映画やスノッブなフランス人をひっくるめて皮肉ってたり。

もちろん肩肘張らずに楽しめるけど、メッセージはふんだんに込められてます。

2005年5月19日木曜日

燃え尽き症候群 解消法

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久しぶりにCDを馬鹿買いしてみた。
スプリングスティーンの新譜を買いにいったつもりが、そう言えばあれもこれも
買う予定だったなと。以下そのリスト。

947 Mitsuko Uchida Mark Steinberg Mozart Sonatas for Piano & Violin
948 Inger Marie Gundersen Make this Moment
949 Madeleine Pyroux Dreamland
950 Madeleine Pyroux Got You On My Mind
951 John Legend Get Lifted
952 U2 Vertigo(DVD)
953 U2 Sometimes You Can't Make It Your Own(DVD)
954 Bruce Springsteen Devils & Dust

ちなみに左の番号は、個人的CD管理No.すなわち持ってるCDの数。(笑)
我ながら節操のない買い方だけど、大きな仕事を一つこなした後で、
なんとなく燃え尽き症候群に陥ってたので、手が勝手に動いてしまった。。

●スプリングスティーン
今の時代に鳴り響くネブラスカ。歌詞がとてつもなく美しい。。。

2005年5月8日日曜日

生と向かい合う - 海を飛ぶ夢

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海を飛ぶ夢


この映画はありきたりの言葉を使えば「人間の尊厳」をテーマとしている。
彼(主人公)は事故によって体の自由を失い、家族の手によって“生かされてきた”
しかしその生き方に疑問を感じ、生きる目的を失ってしまうことによって、
誰も答えを出すことのできない“人間の尊厳”を行使してしまう。



彼が提示した意志を否定することはできないと感じた。
でもそれに確信を持っているわけでもない。
彼が信頼を寄せた女性の、裏切りとも呼べる最後の選択も否定できない。
僕個人として、目の前に提示されたものを受け入れることしかできないという
歯痒さのようなものを感じた。日常の中で、健常者である自分は、
“生”と向かい合ったことがあっただろうか?
“死”について考えたことはあっても、“生”は空気のようにそこにあるものとして、
意識することもそれほどなかった。豊かな人生にしたいという想いはあっても、
“生”は地球が自転しているのと同じぐらい絶対的な事実として、
脳の奥深いところに小さくなってしまわれていた。


これは実話に基づき作られた映画で、見終わったからといってそこに答えが
用意されているわけでもない。ただそういう事があったのだと、
決して甘くはない現実を投げ付けられたまま、観客は放置されてしまうのだ。
綺麗事で終わる感傷的な映画を観たいならやめた方がいい。
厳しい現実を優しい眼差しで見つめた、静かな感動を得たいのなら観てもいい。


僕はこの映画を観てイギリスのケン・ローチを思い出した。
エンターテイメントではない、メッセージを伝える手段としての映画。


2005年5月4日水曜日

鉄のボトムズ

友人の友人が文字どおりでかい事をやって遂げた。

知ってる人も多いと思うのだけど、これです。
ボトムズと言えば、丁度自分の世代に突き刺さるアニメなのだけど、
今思い返すと子供が観るにしては重いストーリーだったような。
でも、絶妙に実現性を感じさせられるメカデザインは男の子にとって、
たまらないものだったはず。

話題の原寸大ボトムズが都内で観れるということで、足を運んだ。
行ってみると予想以上の盛況で、それほど広くない会場に外まではみ出しての長蛇の列。
以前、銀座の個展で拝見した鉄のMacにも再会できた。
客層は銀座には足を運びそうにもない秋葉系の兄ちゃんに大半を占められていた。(笑)


以下撮影許可のあった作品

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鉄で表現するという時点でオリジナリティを発揮しているのだけど、
その形にもオリジナリティが感じられる。
軽薄なこの時代にこそ、この重量感が冴え渡って欲しい。


そして主役のボトムズ(残念ながら撮影禁止)。
順路に沿って行くと目の前に現れるのは、その哀愁さえ感じさせる巨大な後ろ姿!
あの立ち姿が完全に再現されているではないか!
さすがにちょっと興奮気味。
後ろ、横、前からじっくり観たけど重量感がとても魅力的だ。
鉄の質感がボトムズの渋いストーリーを想起させ、素晴らしいマッチングだと思った。

普段アートには興味ないよ、という人もこの機会に足を運んでみては?

 

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