2004年6月29日火曜日

11分間の巡礼

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11分間 パウロ・コエーリョ

巷ではセックスについて書かれたということが大きく取り上げられている。偏見を持つとその魅力が失われるような気がして、僕は偏見を極力排除して読んでみた。

「11分間」という象徴的なタイトルからも想像できるが、この本の中でセックス(性欲)はある意味取るに足らぬ事として描かれている。マリーアは愛に飢え、愛のないセックスに当然のことながら何の価値を見い出す事も出来ない。だけど、二つの大きな経験をすることにより、この物語は展開しはじめる。この二つは相反しながらもマリーアの内面を曝け出すという同じ性質を持ち、マリーアは弱さを曝け出すことにより、自分の心を見つめることができ、愛に気づいていく。。。
コエーリョの処女作「星の巡礼」を読んだあと、これは彼の一貫したメッセージ(思想・信念)なのだと思った。主人公が巡礼の中でRAMの実習というものを行うのだけど、この宗教的な行為を通して心を曝け出し自分の弱さを見つめることにより精神的な成長を遂げていく。

デリケートな部分を扱った作品だけど、二作品に共通しているのは、精神的な力を身につけることで、その先の人生に何かしら幸福をもたらす事ができるというメッセージだ。

精神的に生きるには何かと障害のある実社会だけど、パウロ・コエーリョの本は読んだあとに、何かしら力を与えてくれる。同時代にこんな作家がいることに感謝したい。

2004年6月26日土曜日

a weak point

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例えば騒音の中で声を張り上げること

例えば馬鹿騒ぎすること

例えば偏見への対処

例えば期待された事が実現されなかった時の気持ちの切り替え

例えばデリカシーのない言動


たとえ黙っていてもいろいろな事に気付いている。
全部見えている。
気を使うことで、意図しない事が起きる場合もある。
言葉にすることでそこにあった筈の感情が失われる事も、陳腐なものに変化してしまうこともある。

2004年6月20日日曜日

白いカラス

nj5yht5p.JPG公開初日の「白いカラス」を観た。

冒頭で物語りの結末が見えてしまう構成で、最初から重いテーマに支配されてしまう。内容を知った今では広告はどうもしっくりこない。

徐々に明かされていく主人公二人の過去。
自分の生い立ちと葛藤する初老の男、過去に傷をもつ女。互いの心の闇を見抜いてか惹かれ合っていく様子や、絡み合っている人生の宿命についてはよく描かれていたと思う。

原題は「The human stain」(人間のしみ、汚れ)なのだが、邦題は劇中に出てくるキーワードと隠喩を込めて「白いカラス」としたのだろう。これが今一つで、どうせなら原題そのままの方がしっくりくると感じた。

この映画には一つのメッセージが込められていて、人間は何かしら業を背負って生きていかなければならないけど、幸せになるためには信じ合える人とその業を分かち合う事が必要だと語りかけてきているような気がした。

それにしても救われない話だ。

2004年6月14日月曜日

白レバー

2myxnhn9.JPG先日、初めて白レバーというものを食した。
これが絶品!

300~400羽に1羽位の割合で偶然に育った鶏の肝臓らしいのだが、口の中に入れた瞬間とろけてしまうフォアグラのような味わいがある。

ぜひ一度お試しあれ。

2004年6月1日火曜日

Gmail と個人情報保護とネットワーク

q3xygls5.JPGカリフォルニア州上院、『Gmail』規制法案を可決
japan.internet.com

1GBという破格のメールボックスで一気に波に乗るかと思ったけど、詰めが甘かったようだ。思わぬ落とし穴というべきか、単なる見込み違いというべきか。面白いアイデアではあったけど、今の世の中個人情報にはめっぽう敏感な人が多い。メールをスキャンしてそのユーザーに合った情報(広告)を提供するという話だが、気になる人には単なる押し付けとしか捉えられないのだ。しかも自分の個人的なメール文面から情報を取られているから尚更。

僕はGmailの機能を推す訳じゃないが、個人情報に過敏になっている人達にはどうも賛同できない。それほど大事なものなら、初めからネット上での情報のやりとりを諦めるべきなのだ。リスクをきちんと認識して利用するべきだと思う。

便利だからこそ、その分ツケも大きい。「無料」なのだからどこかに落とし穴はあるはず。ネットの特性なのだろう、ネット上の情報は「無料」という認識が根付いてしまった。
人間とはずうずうしいもので、それを当たり前と感じどんどん欲求は大きくなっていく。
その欲求がインターネットのネットワークを天文学的なまでの数値に膨らませているのかもしれない。

 

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