2004年9月28日火曜日

ダンディズム

cigars.gifシガーを嗜む企画に参加した。学生時代に一度吸ってみたことはあるものの、当然その年齢では似合うはずもなく、大人の男の真似をしたに留まっていた。今回、たまたま参加する機会に恵まれた。

しかもゲストはおひょいこと藤村俊二さん。年をとるにつれお洒落さとダンディな雰囲気を身に付けていった人だ。その飄々とした話っぷりと、どこか人を喰った内容に笑わせられた。でも、最後に真面目に語ってくれた葉巻とワインを男女に喩えた話が良かった。どちらも熟成させることで味わいに深みが増すという共通点はあるものの、それぞれに違いがある。だけどどちらも、ゆったりと味わうものだ。

何年後か分からないけれども、葉巻の似合うような男になれるとしたら、それは同時にダンディズムを極める時なのかな。

2004年9月27日月曜日

WEB空間における人々の心

大抵の人は、毎日閲覧するサイトが停止してしまうと、何かやりきれないような複雑な気持ちになるのではないだろうか?WEBサイトを運営する側にいる自分も1ユーザーとして、その気持ちは良く分る。10年前に、現在のインターネットの日常への浸透や、それに依存さえしてしまう人が現れてくることを予想できたのは、ほんのわずかの人達だけだろう。

今回、このブログサービスが図らずもリニューアル時のミスを犯し、恐らく多くの人が不満を募らせているとは思うのだけど、冷静に考えてみて、数日アクセスできないことが果してどれだけ重大なことなのだろうか?僕にはそれほど重大な事には思えない。目くじらを立ててまで怒ることなのだろうか?日常の中にもっと注意を向けるべき大切な事が潜んでいたりしないのだろうか?もちろん、サービスを提供する側は反省しなければならないし、それなりの説明も必要だと思う。しかし、それほど重大な事とはどうしても思えない。

まるでWEBの網の目に囚われてしまったかのように、WEBに依存してしまう人達がいる。確かに、誰にも邪魔されずに匿名のまま世界を縦横無尽に闊歩できるわけだから、こんなに魅力的な世界はないのかもしれない。でもそこに落とし穴があるわけで、弱い心を持った人間は一度そこにはまり込んでしまうと、いろいろな場面において強さを求められる、叉は強さが必要とされる現実の世界から逃避してしまうのではないだろうか?

このWEBの世界を生業としながらも、僕は常にそんな懐疑心を捨てられない。
ならば、提供する側がWEB空間の歩き方を提案していくべきなのではないだろうか?
落とし穴に落ちてしまわない歩き方を。

2004年9月24日金曜日

アンダーグラウンド

パリの地下に秘密社会?
古代トンネルにバー付き映画館「捜すな」張り紙残す。
lazique.com

こんな事が実際に行われているとは。。その目的やシチュエーションは違うけど映画「アンダーグラウンド」を思い出した。人間という生き物は欲望や信念のためなら、どんな環境でも力強く生きていけるものだなと感心してしまう。

「われわれを捜すな」という張り紙を残すあたり、小粋な感じがしていい。電力を不正に使用していたという面はあるものの、誰かに迷惑を掛けるわけじゃなく、個人的に心踊る話だ。次はどこで活動していくのだろう?

2004年9月18日土曜日

悪魔とプリン嬢

bsetfca5.JPG

悪魔とプリン嬢

冒頭から一気に引き込まれてしまった。おとぎ話的なタイトルとは裏腹に、これは人間の本性を抉った挑発的な作品だ。

プリン嬢は悪魔からの挑戦を受けてしまうのだが、この作品を読んだ誰しもがプリン嬢の立場に自分の身を置いて、そこに善と悪の区別に迷う心が沸き起こるのではないだろうか?

善悪という人間だけが意識する概念について、柔らかくしかし鋭く言及し、同時に人間の心の弱さを露呈させている。

いつもながらパウロ・コエーリョには人生を考えさせられてしまう。

2004年9月13日月曜日

男気のBritish Rock

id5rlqdp.JPG

ポ-ル・ウェラー「スタジオ 150」

この人の音楽は、たとえカヴァーであっても変わらない良さみたいなものを感じさせる。声がいいんだろうな。男の色気を感じる。

「THE BOTTLE」なんて、完全に自分の曲として消化されてるし、意表を突く「CLOSE TO YOU」も最初それとわからないぐらいに、自分のスタイルで歌っている。

軟弱な音楽じゃなくて、しっかりとした、心に染みる音楽を聴きたい時、ポール・ウェラーは最良の音楽の一つだと思う。

2004年9月7日火曜日

味わい深い Belgian Beer

ベルギーでは修道院で醸造されるということが有名だけど、シメイChimay、 オルヴァルOrval、 ロシュフォールRochefort、 ウェストマレWestmalle、 ウェストフレテレンWestvleterenなどの銘柄がある。
僕が好きなのは「ロシュフォール10」。ダークブラウンでアルコ-ル度数が高め、そして何よりもチョコレートの深みに似た味わいがある。しかもそれが大きなグラスに注がれて出てくるのだからたまらない!

僕の行きつけは飯田橋の、昔美味しいイタリアンの店だった地下にあるのだが、欧風穴蔵のような落ち着いた雰囲気がとても良い。

G.Love ハッスル ハッスル

4yfegp5h.JPG

The Hustle

G.Loveを聴くといつもハッスルしてしまう。
なんてことはありえない。

いつも思い出すのは学生時代で、音楽に浸っていれば良かった気楽な時代の郷愁が一瞬胸を締めつける。そんな感じの音楽でもないのに不思議なものだ。

ハーモニカとスカスカのリズムが始まった途端、きた!と思ったのが、初めて聴いた時の感想。意外にツェッペリンばりのリズムワークなんかもこなして、その当時は結構斬新な音楽だった。そしてそこから一つも変わっていない。いつ聴いても、G.LoveはG.Loveの音。

もしかしたらG.Loveはハッスルしてるのかもしれないが。

2004年9月5日日曜日

自由が燃える温度

yium3c63.GIF

華氏911

アメリカという国の病的な部分をくっきりと浮かび上がらせ、
弱者の視線から状況を見つめ、真実を浮き彫りにしていくあたり、
マイケル・ムーアの真骨頂が発揮された映画だった。

ブッシュ大統領に焦点をあてて、9.11とそれ以降の政治背景を
どんどん解きあかしていくのだけど、そのテンポの良さに時折
ユーモアも交えることによって、一種のエンターテイメント映画
としての体裁も整えている。ムーアという人、その太っちょの体で
人を油断させておいてしっかりと心を掴むあたり、心憎い。(笑)

基本的には前作のボーリング・フォー・コロンバインと同様の形式を
取っているけど、今作はテーマがより重いためか、前作のような
ポップな表現は少し影を潜めている。アメリカ兵が攻撃を仕掛ける際に
聴いているというロックをBGMに持ってくるシーンは、頭の堅い連中には
好戦的なものと捉えられてしまうのかもしれないが、個人的にあれほど
痛々しいシーンはなかった。つまり強力な皮肉であるということ。

現在に近付けば近付くほど、アメリカのやり方の矛盾が目立ち出し、
イラクで戦っている兵士達の病んだ心が画面に映し出されていく。
これはベトナム戦争の繰り返しじゃないか!そう感じたのは僕だけだろうか?

最後はムーアの強い想いを込めた一言で締めくくられ、後ろでパラパラと拍手が起こった。
少しでも物事を掘り下げて考えている人達なら、なんとなく感じていたであろう事を
明確にしてくれる映画だ。ジャーナリズムの金字塔と言っても差し支えないのでは。

 

© 2009Soulkitchen | by TNB