2004年3月14日日曜日

Anything Goes

9ffnrn7w.JPG

ブラッド・メルドー・トリオ久々の新作。「Art of The Trio」という冠が取れた。
一曲目の「Get Happy」が始まった瞬間、思わずにやけてしまった。そうきたかと。
メルドーにとっての前作はソロ名義の「Largo」。
このところ、意欲的に他ミュージシャンのアルバムに参加したり、実験作を提供したりといった感じで自分の中に貯まっているクリエイティビティを吐き出しているかのような印象を持っていた。ある意味迷いもあるのかなと。もちろん、それらの演奏も素晴らしいものではあったが。

今作はスタンダードアルバムと言っていいだろう。ここにきてその迷いを解き放ち、何か一つ抜けた感がある。純粋に音楽のもつ魅力を引き出している。
数多くの「Nearness Of You」を聴いてきた僕の耳にもメルドーのそれは、シンプルかつ繊細で美しい。Blue Noteでのライブで聴いていた「Smile」もその当時はつまらないと感じたが、改めて録音されたものを聴くと意外に面白い事に気が付いた。この形が正にメルドー・トリオの解釈なのだと。お気に入り、レディオヘッドの「Everything In Its Right Place」は、このスタンダード曲郡の中にあって少し浮いた感もあるが、やはりメルドー(トリオ)の感性に合うところがあるのだろう、複雑な曲展開にも関わらず伸び伸びとした演奏が繰り広げられる。

現時点でこれが最高の形だと納得できるアルバム。

0 コメント:

コメントを投稿

 

© 2009Soulkitchen | by TNB