2007年5月5日土曜日

月とラクダの夢を見た

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中山うり DoReMiFa


こんな出会いはそう滅多にあるもんじゃない。
まず声がいい。そして音楽性が豊かだ。
新人だけど、ほとんど完成されている。
アコーディオンとトランペットを操る中山うり中山うり
こんな音楽に出会えるからこそ、音楽を聴き続けられるのかもしれない。

まだiTMSでしか音源が聴けない。もうじきアルバムが出るようだ。
そんな流通はまさに今の時代の音楽の証。


 iTunes Store(Japan)


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最近買ったCDも良作が続いている。
ビョークは、普段すっかり眠ってしまっている自分の感性を、
「ほら、寝てたらつまらないじゃない」とでも言うかのようにくすぐり起こしてくれる。
ジャンルなんて言葉を持ち出すと陳腐に聞こえるだけだが、
ビョークはどんなジャンルにも属さない。ビョークという音楽なのだ。

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bjork volta



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パティ・スミス、久々のアルバムはカバーアルバム。
選曲を知った時点からかなり楽しみにしていたのだが、
想像をはるかに超える出来だ。年季が違う。
彼女はロックレジェンドを体現してきた人なのだ。
その人がいつまでも色褪せることのない名曲を歌うのだから、
そこには化学反応が発生して当然かもしれない。
それぞれの曲について本人が解説しているのだけど、それもまたいい。
ニールヤングのHelpless、ニルヴァーナのSmells Like Teen Spirit
スティーヴィー・ワンダーのPastime Paradiseが特にいい。
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Patti Smith twelve



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サラ・ガザレクは、アレンジが凝っていて面白い。飽きない。
オリジナル楽曲にもキラッと光るセンスが感じられる。
まさに新世代のジャズという感じ。
歌唱力もあるし、演奏もタイトで良い。
ここにノラが持っている味わいが加わると、そこそこブレイクするのではないだろうか。
サラの方が所謂ジャズボーカルの範疇に納まるかもしれないが。
ルックスも良く、今後も非常に楽しみなアーティストだ。

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Sara Gazarek Yours



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ミシェル・カミロとトマティートのコラボレーション。
心地よい緊張感のある演奏で、一度聴き始めると耳が離せない。
超絶技巧を持ち合わせた二人の魂の演奏。はっきり言って凄まじい。

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Michel Camilo & Tomatito  Spain


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Michel Camilo & Tomatito  Spain Again


2007年3月27日火曜日

GOGOモンスター

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純粋で儚い感覚を失うことによって大人に一歩一歩近づいていく。

そんな事を思い出させてくれる作品。

昔感じたあの気持ちを今は感じることができないけど、

このマンガを読んで、なんとなくその感覚が思い出された。

少年がその感覚を失っていく過程の表現に圧倒された。

思えば自分の思考もあのような混沌とした闇と光に包まれていたような気がする。

とてつもなく懐かしく、寂しい、でも心を暖かくしてくれる。

この作品は単なるマンガではなく、絵本でありアートだと思う。


2007年3月19日月曜日

魂の声を聴け

 "Love Reign Ore' Me" Pearl Jam

久しぶりにこんな声を聴いた。
二十歳そこそこの時に感じた、どこにもやり場のない思いに似た、
飛翔するための叫び。初期のPearl Jamを思い出す。

もちろんエディ・ヴェダーも年を重ねているわけだが、
成熟した中に失われていないものを感じて嬉しくなった。


人は道に迷ったときに最初に居た場所を振り返ることによって、自分の位置を取り戻す。
それが歌い手にも聴く側にも作用することを思うと、とても素晴らしいことと思える。

2007年3月5日月曜日

中目黒を歩いてみる

Meguro River

春のような陽気に誘われ、中目黒を歩いた。
久々に自分のペースで歩いてみると、いろいろなものが見えてくるもので、
街には人々の足跡があることに気付いた。
様々な思いがこの道を通り過ぎて、季節の空気に触れて“今”の色を醸し出している。

季節の変わり目の匂いが好きだ。
古い季節に溜まった膿を忘れさせてくれる。
何か新しいものに出会える予感を与えてくれる。

2007年2月12日月曜日

ライカ始動

D-LUX 3で初撮影
flickrにアップしてみた。

このカメラは写真を撮ることが楽しくなる。


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2007年2月5日月曜日

Leica D-LUX3

ライカのデジカメを手に入れた。
値段は高かったが、デザインといい、性能といい大満足。

とりあえずリビングでテスト撮影。

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これが愛機。
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2007年1月8日月曜日

硫黄島に掲げられた星条旗と届けられなかった手紙

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「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」を観た。
硫黄島という名前は知っていたが、深く歴史を学ばなかった僕にとっては教科書に出てくる
歴史上のキーワードの一つに過ぎず、こうしてクリント・イーストウッドが映画として
取り上げてくれなかったら、この先一生、この史実を知ることがなかったかもしれない。

あくまでも映画なので、ディテールなど細かく見ていけば誤りがあったりするのだろうが、
一つの戦闘が両側から公平な視点で描かれたことは画期的なことだと思う。
クリント・イーストウッドの作品に一貫して貫かれている精緻でストイックな描写は
この戦争の悲惨さを伝えるのにまさに打って付けだったのではないだろうか。

どちらも上映時間の長い作品だけど、その長さは感じなかった。
激しい戦闘シーンや残酷な殺戮シーン、主要人物の対話シーン、
後になって振り返ってみると、どれをとっても詩的な映像となって記憶に残っている。
しかしそれは映画の中身の良さというよりは、技法の問題なのかもしれない。
これまでに観てきた戦争映画を凌駕する作品だとは感じなかった。

とは言え、二作品とも優れた映画であることには異論がなく、
「硫黄島からの手紙」を撮ったクリント・イーストウッドには脱帽。
外国人が撮った作品でこれだけ日本人がきちんと描かれたのは初めてだろう。
それに、日本人には撮れなかった映画を撮ったという意味でも。
日本人の演技はそれぞれが印象深く素晴らしかった。
中でも嵐の二宮君は非常に頑張ったと思う。最後の表情も良かった。

映画の中では軽くしか触れられないが、どちらの国にも政治的な問題が見え隠れしている。
戦争で犠牲を強いられるのは市民であり、問題提起を行うこういった作品を作るのも市民。
政治家にこそ観てもらいたい作品だ。


今回の映画の主題とは直接関係ないのだが、「お国のために戦場に行って死んで来い」
「お国のためなら~」という無理強いで理不尽なことを押し付ける人たちの思考には
日本人のDNAとして空恐ろしいものを感じた。そして、ホリエモンに傾倒して、
モラルを無視してでもお金を儲けることを正当化する最近の若者に、ふとそのDNAを感じた。



 

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