2008年4月19日土曜日

RIP Danny

Eストリート・バンドのキーボード奏者ダニー・フェデリチが亡くなった。


スプリングスティーンの音楽との出会いから18年、

振り返れば、彼のオルガンは他のメンバーの音と共にEストリート・バンドの

外せない絶対的な要素として鳴っていた。


1988年にスプリングスティーンがEストリート・バンドの解散を発表したとき、

喪失感と共に、スプリングスティーンはもう終わったのだと勝手に思い込んだものだった。

でもそれと共にいつか復活するだろうという根拠のない予感もあり、

それは絶対的な喪失感ではなかったし、実際その後再び音を聴くことができた。


今回の喪失感は、そんなものとは質が違う。

もう永遠にEストリート・バンドの“今”の音を聴くことができない。

ダニーのいないEストリート・バンドは、ジョン・ボーナムのいないツェッペリンなど

存在しなのと同様にEストリート・バンドとは呼べないのだ。


"Danny and I worked together for 40 years - he was the most wonderfully fluid keyboard player
and a pure natural musician.I loved him very much...we grew up together."
—Bruce Springsteen



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Garry Tallent, Roy Bittan, Max Weinberg, Clarence Clemons, Brues Springsteen, Steve Van Zandt, Danny Federici.

2008年3月31日月曜日

new soul

晴れた春の陽気を思い起こさせてくれる曲だ。

春はまさに“new soul”を持って新しい環境に飛び込む人が多いと思うけど、

この曲はそんな人たちの気持ちを優しく包み込んでくれる。






Yael Naim という名前とそのエキゾチックな風貌から

アーティスト自身にも興味を惹かれたので、調べてみたら、

ユダヤ人とチュニジア人のハーフでパリやイスラエルに住んでいたという。

“new soul”だけじゃなくアルバム全体から滲み出る不思議な魅力はその辺りにあるのだろう。

実際、それぞれの曲に合わせて英語とフランス語とヘブライ語が使い分けられていて、

言葉の響きに新しいものが感じられる。



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2008年2月26日火曜日

My home town.

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歩いてみれば、いろいろ見えるものだ。
一歩踏み出してみれば、今まで気付かなかったことが見えてくる。
春の息吹も聞こえてきた。

2008年2月17日日曜日

I have a dream


久々にマーティン・ルーサー・キングの“I have a dream”を見て心が熱くなった。



私には夢がある。
いつの日か、この国が立ち上がり、その信念の真の意味を完全に生かし、
“すべての人間は神のもとに平等である"との真理を自明の理とする。

私には夢がある。
いつの日か、ジョージアの赤い丘で、
かつての奴隷の息子たちとかつての主人の息子たちが、
共に兄弟として腰をおろす。

私には夢がある。
いつの日か、ミシシッピ州でさえ、その不正の荒々しい炎と抑圧とに
焼き尽くされた大地が生まれ変わり、自由と正義のオアシスとなる。

私には夢がある。
私の四人の幼い子供たちが、いつの日か住む国では、
肌の色で判断されるのではなく、その人間性によって評価されることを、
ここで夢見ている。

今こそ自由よ、鳴り響け、ニューハンプシャーの大いなる丘から。
自由よ、鳴り響け、ニューヨークの雄大な山々から。
自由よ、鳴り響け、ペンシルバニアにそびえるアレゲニーの山々から。
自由よ、鳴り響け、コロラドの雪をかぶったロッキー山脈から。
自由よ、鳴り響け、カリフォルニアの美しい丘から。
それだけでなく、
自由よ、鳴り響け、ジョージアのストーンマウンテンから。
自由よ、鳴り響け、テネシーのルックアウトマウンテンから。
自由よ、鳴り響け、ミシシッピの丘やモグラ塚から、あらゆる山々の中腹から。

自由よ、鳴り響け、そしてその時、
私たちが、自由の音を鳴り響かせる時、
自由の音をすべての村から、すべての部落から
すべての州から、すべての町から、鳴り響かせる時、
私たちは歩みを速め、その日を迎える。
黒人も白人も、ユダヤ教徒もキリスト教徒も、プロテスタントもカトリックも、
すべての人々が手を取り合って黒人霊歌を歌う。

ついに自由!ついに自由だ!
おお、神よ、感謝します。
ついに自由となったのだ!

2008年2月10日日曜日

Hush-a-Bye Baby

ひょんなことから知り合った方が北アイルランドの映画祭を企画していると聞いたのは1年前。
1年後、見事に映画祭を実現させてしまった。その実行力に感心している。
先日アイリッシュパブでの前夜祭にも参加させていただき、
ギネスを堪能しながらアイリッシュダンスや音楽を楽しんだ。
肝心の映画も観ねばと足を運んでみた。

観たのは、「Hush-a-Bye Baby(おやすみ、ベイビー)」。
シニード・オコナーが出演しているということと、監督が来日していて話が
聞けるということでなんとなく選んだ作品。
内容には良い意味で裏切られた。アイルランドの青春映画を想像していたけど、
イギリス軍が駐留する時代背景と、社会問題となっていた中絶を題材に重厚な作品となっていた。
劇中に流れる懐かしい音楽から1984年という年は想像できるものの、
自分が無邪気に遊んでいたつい最近、アイルランドという国がおかれていた状況を
改めて認識することとなった。監督の非常に洞察力のある知的な説明も良かった。


N.アイルランド・フィルム・フェスティバル2008
2008年2月9日(土) ~ 2月15日(金)


2007年12月28日金曜日

The Joshua Tree 20th

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特別な音楽だ。

ずっと聴いてきた。

リアルタイムで聴いてきたのだから、20年も経つのかという感慨もある。

U2はその間、モノトーンから眩いばかりのフルカラーに変貌して世間を欺いたり、

青筋を立てて歌っていた、その青臭さを巧みに成熟させてきた。

でもその青臭さと成熟の間の絶妙なるこの時期が、ある視点においては

全盛の時代と言えるのだろう。ファンとしては今この時が全盛なのだけど。

付属DVDで当時のパリでのライブを観ると、ボノの声は本当に凄かった。

10代後半の僕はこの声にやられたのだ。惚れ込んでいた。

それから当時からしきりにスニペットを行っていたことに気付いたが、

DOORSの「Break On Through (To The Other Side) 」を歌うくだりには鳥肌が立った。

個人的には10年後のアルバム「POP」の「Last Night on Earth」に

DOORS的なロックを感じていたが、ボノもきっとDOORSが好きなのだろう。


本体の「The Joshua Tree」はリマスターによって、音の輪郭がくっきりとした。

「Achtung Baby」以降格段に進歩したように思っていたラリーとアダムのリズム隊は、

実は既にそのグルーブ感を披露していたことが分かった。



2007年12月17日月曜日

Life is short but, by the grace of God, The night is long

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良い音楽との出会いは人との出会い同様、何の前触れもなく訪れる。

このアルバムには音楽への愛と人間への愛、自国への想いが巧みに散りばめられていて、

それらが彼の哲学と共にゆっくりと確実に心に染みてくる。

最初甲高い声に少し不快感を覚えたが、いつの間にかその声がとても

魅力的に感じられるようになった。中毒気味に何度でも聴きたくなってしまうのだ。

人生の機微を本当にわかっているシンガーソングライターとしては、

ディランやスプリングスティーンに匹敵するとさえ感じている。

そこに音楽の良さも上乗せされているのだから、悪いはずがない。

これからも一生聴き続けるアルバムになりそうだ。

 

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