2006年11月12日日曜日

ビル・ヴィオラ はつゆめ

六本木で二つの美術展を観てきた。
クリーブランド美術館展とビル・ヴィオラ展、ちょうど過去と現在という対称的な展示会で、
足が疲れても退屈することはなかった。


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《ミレニアムの5天使》「旅立つ天使」2001年 
ヴィデオ・サウンド・インスタレーション



ビル・ヴィオラの作品を観て、人が感情を表現する作品は同時代的にはあまり評価されない
だろうなと感じた。表現方法が映画に似ているため、美術館という場所で観たときに違和感を
感じてしまう。個人的な感想かもしれないが。
でも面白い試みであり、「驚く者の五重奏」や「ラフト/漂流」は作品として完成度が高いと思った。

クリーブランド美術館展と較べて感じるのは、現代の作品はより感情が表に出ている事。
モネやモディリアーニ、ピカソなんかを見てると技法に長けた人達だなと思うが、そこに強い感情は
感じられない。もちろんゴッホのような作家もいるのだけど。

写真やヴィデオなどの技法がある現在とそれらがない過去を、単純に比較することはできないの
かもしれないが、芸術の果たす意味合いが変わってきているのだと思う。
過去は作家の表現したものの鑑賞に重きが置かれていたが、現在はそれにプラスして共感を
感じられるということが指標の一つに加わっているような気がする。

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