2011年1月9日日曜日

スマートフォンは誰のためのもの

スマートフォンという言葉が巷に飛び交っているが、
その周りのビジネスも含め、語られる論調にどうも違和感を覚えている。

スマートフォンは確かに便利だけど、都市部で生活しているから便利なだけであって、
田舎での生活にはそれほど役に立たないと思うのだ。
決定的な違いは移動手段が電車か車かという点。
都会生活では意外と移動時間が長く、JRや私鉄、地下鉄網が整備されているため、
それらを利用する事が多く、目的地に着いてからの歩く距離もそれなりにある。
そんな生活スタイルの中でスマートフォンの機能は多いに役に立つのだが、
田舎では車で目的地まで移動する生活スタイルで、都会の人ほど歩かない。
移動しながら何かを調べるのではなく、移動する前に調べなくてはならない。
何もこの1点だけで全てがそうであるとは言えないとは思うのだが、
移動しながら調べるか移動する前に調べるのか、この違いは大きいと思う。

まあ、スマートフォン的なツールで言えば、タブレットPCがあれば便利だろう。
家で調べてそれをそのまま持って行けば良い。車の移動だからポケットに入るサイズである
必要はなく、iPadぐらいのサイズであれば何の問題もない。

田舎の生活では、せいぜい電話とメール、写真が撮れればいい。実際ほとんどの人がそうだ。
それは自分が田舎の生活も都会の生活も知っているから、そう言える。

それから、都会であっても主婦や子供、老人にとってはスマートフォンは
機能/情報過多に違いないだろう。ガジェット好きや新しいモノ好きの人は別として。

僕はiPhoneもiPadも持っていて、この都会生活の中で多いに活用しているが、
最近よく名前を聞くような名のあるジャーナリストが語っている内容にはどうも違和感を覚える。
それはあくまでも都市部の生活で成り立つことを語っていて、“日本”にあてはまる
内容ではないからだ。



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2010年12月27日月曜日

シチリア!シチリア! トルナトーレ監督の集大成的な作品

シチリア!シチリア!

一言で現せば、人生讃歌の集大成的な映画だった。

トルナトーレ監督の想いがたくさん詰まっていて、
溢れんばかりの感情が随所に感じられた。

子供の頃はよく走った。世界はそれだけ広かった。
大人にからかわれて、嘘だと思ってもどこかそれを信じていた。
青年期の甘い思い出。
自分の想い描いた理想の自分像と、現実。
全部詰まっている。

当然、いつものごとく映画への愛を感じられるオマージュが盛り込まれ、
健全なエロティックシーン(笑)も用意されている。
だけど、何気ないシーンの美しさは挙げれば切りがない。

全体的にとてもテンポが良く、時間の長さを感じなかった。
監督の編集の巧さを感じるとともに、
今更ながら、それは映画という創作物にとって重要なファクターだと気付いた。

長く記憶に残る映画になったと思う。

2010年12月18日土曜日

Atomic Green Mill Tilter

久々にジャズの息吹を感じた。
なんだろう、この興奮。
この時代、音楽は益々ライブに重きが置かれるようになっていく。
実はオーソドックスな演奏なのかもしれないが、それがいい。


2010年7月3日土曜日

Water talks



映像は美しいけど、伝えているメッセージはシリアスな環境問題。
ただ、こういうメッセージはイベント的なものでは足りなく、
継続的かつ広範囲に成されるべきものだと思う。

I KILL MORE THAN AIDS
(私はエイズよりも多くの人を殺している。)

I KILL MORE THAN WAR
(私は戦争よりも多くの人を殺している。)

I KILL MORE THAN CANCER
(私はがんよりも多くの人を殺している。)

I KILL 15PEOPlE EVERY MINUTE
(私は1分ごとに15人の人を殺している。)

I AM THE LEADING CAUSE OF DEATH IN THE WORLD
(私は世界中で死をもたらしている。)

I AM UNSAFE DRINKING WATER
(私は安全ではない飲み水です。)


カンヌ2010受賞のソーシャル広告(4)街で驚き、考えさせる広告

2010年6月20日日曜日

Music is my soul.

The Rolling Stones - Exile on Main Street

今さら何の説明もいらないアルバム。
リマスター盤に未発表音源を追加した2枚組。
このアルバムは数えきれないほど聴いてきたけど、
なんでこんなに良いのだろう?
ドライブにも必携。





The John Butler Trio - April Uprising

グルーブ感が気持ちのいいスリーピースロックバンドの新作。
これはなかなかいい!
昔、Spin Doctorsというロックバンドがあって、そのメロディとグルーブが好きだったが、
それを思い起こさせてくれる。久々にSpin Doctorsも聴きたくなった。
グルーブの感じられる楽曲もいいが、Fool For Youというバラードも耳に付いて離れない。





Rufus Wainwright - All Days Are Nights: Songs for Lulu

彼の伸びやかな艶のある声はいつ聴いてもいい。
今回はピアノの弾き語りだけど、決して単調にはならず
アルバム全編通すと、演劇/映画などを観たような気分になれる。
大切な才能だ。





Jakob Dylan - Women & Country

蛙の子は蛙というが、彼もソロではフォークロック的なアプローチに。
そして前作もなかなかの佳作だと思ったが、T Bone Burnett をプロデューサーとして
迎えた本作は前作よりもさらに進歩している。
彼のぶっきらぼうな歌い方も親父さんとは違ったアプローチで、味が出てきた。





Keith Jarrett / Charlie Haden - Jasmine

キースとチャーリーという自分にとっては奇跡的な組み合わせ。
音は予想通り美しく静謐。
癒しというありきたりな言葉では表現しきれない、成熟した音楽がここにある。





Jack Johnson - To The Sea

この人の音楽は変わらない。変わらない良さがある。
シンプルだけど飽きない。これからの暑い季節にはぴったりだ。





Radiohead - In Rainbows 2

In Rainbowsのディスク2。
トムの声が楽曲に合っている。旋律が美しい。





Paul Weller - Wake Up the Nation

相変わらずどん欲なアニキ。かっこいい。
だけど、通して聴くと若干疲れるかな。

2010年6月19日土曜日

Sally Seltmann

このアーティスト気に入った!
Feistの「1 2 3 4」の作者とのこと。

2010年4月11日日曜日

杉本博司 「少年スギモトはいかにしてHiroshi Sugimotoとなったか」


U2のCDにサイン!


会社のU2ファン仲間に誘われ杉本博司さんの講演会に行ってきた。

僕は元々2005年に森美術館で開かれた展覧会「時間の終わり」で杉本さんの
モノトーンの世界に触れファンになったのだが、まさかのU2新作ジャケット採用で、
U2ファン仲間での参戦となった(笑)。

最初のニューヨークのアトリエ拡充の近況を映像で紹介してくれるくだりから、
オブジェの制作や茶室工事を指揮する姿で、彼のなんでも自分で作るスタンスが
見て取れて、人となりに気付かされることになる。

そして有名なシアターやジオラマの作品が実は博物館や映画館でのアポ無し隠し撮りに始まる
という逸話に笑わされながらも、作ることに対する情熱が伺えたし、シアターシリーズに
使われている映画が実は「サタデーナイトフィーバー」だったりするという、
あまり耳にしたくない情報には彼の遊び心が感じられた。

子供の頃の時代背景に合わせて工作少年だったエピソード、12歳ぐらいで既に焼き方にこだわる
写真家気質を持っていたという話しを聞いたが、それが62歳になる今も基本的な性質は変わっていない。
何かを作り続ける人のマインドはそういうものだと思った。

杉本さんは今後も銀塩を続けるとのこと。デジタル化はあくまでもメディア入稿のため。
プラモデルが出てきたときに、誰が作っても同じになるなんてふざけるな!と思ったそうだが、
フィルムが減っていくことはむしろ喜ばしいと語っていた。
むしろ自分が作る作品のオリジナル性に繋がると。

聞き手の鈴木芳雄さん(元ブルータス副編集長)によるこの講演のダイジェスト


おまけにU2のエピソード。
本人はビートルズ、ストーンズ世代でピンク・フロイドで止まったと言っていて、
U2をよく知らなかったが、知人に地中海に面した南仏のボノの別荘に連れられて行き、
ボノから海景シリーズのファンでこの地中海を撮って欲しいと頼まれた。
そのとき、断るつもりで「U2の文字とかアルバムタイトルを入れないのであれば」と
言ったけど、本当にその通りにするということと、リードタイトルのNo Line On The Horizonの
レコーディングに呼ばれたりして逃げられなくなったとのこと(笑)。
面白いのは、ボノと意気投合してこの取り組みはお金のやり取り無しにして、
石器時代の物々交換のようにお互いの作品を使う権利の交換にしたということだ。

このエピソードは安藤忠雄さんとの対談にも出てくる。
 

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