この映画を観て一番最初に想いだしたのは、ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」だった。
スペイン内乱の時代背景と、大人たちの争いとは無縁である子供の世界。
しかし、自分が子供であったことも忘れ、愚かな行いを繰り返す大人たち。
だけど、決定的に違うのは現実に立ち返る「ミツバチのささやき」に対して、
「パンズ・ラビリンス」はあくまでもファンタジーであること。
また、パン(=牧羊神)という言葉からギリシャ神話をモチーフにしていることも想像に難くない。
大人たちの惨劇は幾分やりすぎ(見せすぎ)の感もあるけど、主人公の女の子(オフェリア)の
演技が素晴らしいため、後味は悪くない。
映画冒頭、オフェリアのための子守唄が流れるのだが、それが子守唄であることは、
話が進む中で分かり、最後にはその切なさと相まって深い余韻を残す。
「ミツバチのささやき」同様、これは大人のための映画だと思った。
(C)2006ESTUDIOS PICASSO,TEQUILAGANGYESPERANTOFILMOJ.
2007年11月4日日曜日
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