2007年11月4日日曜日

PAN'S LABYRINTH パンズ・ラビリンス

この映画を観て一番最初に想いだしたのは、ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」だった。

スペイン内乱の時代背景と、大人たちの争いとは無縁である子供の世界。

しかし、自分が子供であったことも忘れ、愚かな行いを繰り返す大人たち。


だけど、決定的に違うのは現実に立ち返る「ミツバチのささやき」に対して、

「パンズ・ラビリンス」はあくまでもファンタジーであること。

また、パン(=牧羊神)という言葉からギリシャ神話をモチーフにしていることも想像に難くない。

大人たちの惨劇は幾分やりすぎ(見せすぎ)の感もあるけど、主人公の女の子(オフェリア)の

演技が素晴らしいため、後味は悪くない。


映画冒頭、オフェリアのための子守唄が流れるのだが、それが子守唄であることは、

話が進む中で分かり、最後にはその切なさと相まって深い余韻を残す。

「ミツバチのささやき」同様、これは大人のための映画だと思った。



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(C)2006ESTUDIOS PICASSO,TEQUILAGANGYESPERANTOFILMOJ.


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