2009年5月24日日曜日

医者はなんのためにあるんだ

手塚ファンとして気になっていたので、開催中の手塚治虫展に足を運んだ。
展示内容は、生誕80周年ということで手塚治虫の生誕から死後の現在まで
網羅的に振り返るなものになっていて、全体をさらっとなぞった初心者向けのもの。
まあ予想はしていたけど。

ただ、小学3年生の頃に初めて描いた直筆のマンガや、昆虫が大好きだったことがうかがえる、
非常に緻密な昆虫標本の写生など、ここでしか見られない貴重なものもあった。
あれほどの多作に繋がる集中力や発想力はこの幼少期に培われたのだと感じた。

それと、音声ガイドは息子の眞さんが担当していて、アトムやブラックジャックが一緒に案内
してくれたり、藤子不二雄Aさんのインタビューがあるので聞いて損はないと思う。
普段は美術展で音声ガイドを使うことはないけど、今回だけは使ってみた。

展示物は基本的に知っているものばかりだったので、流し気味に見物したけど、
晩年の床で奥さんに最後に言った言葉が紹介されていて、それが印象深かった。

「頼むから仕事をさせてくれ」

今にして思えば、まだまだ若かったわけで、この言葉を知ってしまうと、
未完の「火の鳥」「ネオ・ファウスト」「グリンゴ」「ルードウィヒ・B」らの続きが
どんなものになるはずだったのか、なおさら気になってしかたがない。


手塚マンガについては語りつくせないほどの思いがあるのだけど、
それは多くの人が感じていることだと思う。
根底にあるのは生命と自然に対する倫理感。
決して甘くない。



会場で買ってきたブラックジャックの名台詞トイレットペーパー

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