2007年9月30日日曜日
題名のない子守唄
題名のない子守唄
ジュゼッペ・トルナトーレ久々の作品にして、異色作。
あえてジャンルを分けるとすればミステリーの部類に入る作品で、
トルナトーレの作品に必ず含まれてきたユーモアや心が温かくなる情景はない。
見終わって感じたことは、女性性が強く打ち出された作品であること。
もちろん主役が女性であり、その過去も女性ならではの苦悩に満ちているのだが、
最後の最後まで女性視点だった。もしくは、女性の感情の強さが渦巻いていた。
始まりの映像で惹き込まれ、主役女性の演技にも驚き、この映画は確かに
一級の作品だと思うのだけど、今ひとつ入り込めなかったのは、
その女性性に因るものだろう。
それと、トルナトーレが伝えたいことが今ひとつぶれているような気がした。
恐らく彼が日頃考えている社会問題を訴えたかったこともあるのかもしれないが、
それと、作品としての面白さを追求する部分がうまく融合できなかったというか、
新機軸に挑戦したが故にまとめ切れなかったのではないだろうか。
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